スーパーマリオ64DS』(スーパーマリオろくじゅうよんディーエス、Super Mario 64 DS)は、2004年に任天堂から発売されたニンテンドーDS用3Dアクションゲーム。1996年に発売されたNINTENDO 64用ソフト『スーパーマリオ64』のリメイク作品で、ニンテンドーDSのローンチタイトルの一つ。

ゲームプレイ

ストーリーは原作同様、クッパからピーチ姫を救出する内容だが、ヨッシーが最初から操作可能なキャラクターとなり、マリオ、ルイージ、ワリオはゲーム序盤に操作可能となる。

操作方法

このゲームでは、2つのスクリーンを利用している。上部画面には通常のゲーム画面が、下部のタッチスクリーンにはマップが表示される。タッチスクリーンの操作で上部画面のカメラアングルを回転させることもできる。通常の1人用モードに加え、36種類のミニゲームとマルチプレイヤーモードが含まれている。ミニゲームはゲーム内でウサギを捕まえることで解放される。全てのミニゲームはタッチスクリーンを使用してプレイし、レース、カードゲーム、パズルなどさまざまなテーマに基づいている。マルチプレイヤーモードでは、ダウンロードプレイを使用し、最大4人がグリーン、レッド、ブルー、イエローのヨッシーで競い合う。ステージには各キャラクターの帽子が登場し、それを使用することでマリオ、ルイージ、ワリオに変身可能。ワリオは他のプレイヤーを掴んで振り回し投げることで対戦相手をスタンさせることができる。

アイテム

パワーアップアイテムは、マリオ、ルイージ、ワリオの帽子型のアイテムとして登場する。これを取得するとプレイヤーキャラクターが対応するキャラクターに変身し、その能力を使用できる。ヨッシーは、他のキャラクターの帽子を被った状態でステージを始めることが可能である。別のパワーアップアイテム「パワーフラワー」では、各キャラクターに異なる能力が付与される。マリオは浮遊(『スーパーマリオワールド』の風船アイテムに類似)、ルイージは透明化と非実体化(オリジナル版の透明キャップに類似)、ワリオは金属化し無敵化や毒からの耐性を得る(オリジナル版の金属キャップと同様だが、溶岩を歩ける能力が追加)。ヨッシーは火を吐くことが可能となり、敵を燃やしたり氷を溶かしたりできる。これらの能力はゲーム内の特定エリアをクリアするために必要となる。他に「スーパーキノコ」(キャラクターを一時的に巨大化させる)や羽根(マリオ専用で、オリジナル版の羽マリオキャップ同様に飛行可能)などが含まれる。なお、マルチプレイヤーでの対戦モードでは他のキャラクターも羽根を利用可能で、ヨッシーの場合は『スーパーマリオワールド』のように翼が生える。

開発

原作からの変更点として、グラフィックはテクスチャフィルタリングがなくなり、一方でキャラクターモデルが更新されより詳細なデザインへと改良された。また、コインが2Dアニメーションから3Dモデルへと改良されている。オリジナル版の音楽はすべて近藤浩治の楽曲が再利用され、永田権太が新しい楽曲を提供している。

発売とプロモーション

当初「Super Mario 64 x4」と題されたこのゲームは、2004年のE3で、ニンテンドーDSが発売される前、マルチプレイデモとして初めて公開された。数か月後、任天堂はこのゲームを他の多数のタイトルとともに開発中であると発表した。2004年10月7日のニンテンドーDSカンファレンスでは、このゲームが再びデモに登場し、新しい情報が公開された。タイトルは「スーパーマリオ64DS」に改称され、メインモードでマリオ、ルイージ、ヨッシー、ワリオの4キャラクターを使用できることが明らかになった。このデモはE3のバージョンよりも完成度が高くなっており、メインモードでの複数キャラクターの特徴や、ミニゲームが強調されていたが、マルチプレイモードは含まれていなかった。

カンファレンス前にGameStopの製品ページにボックスアートが公開され、スーパーマリオ64DSが発売日のタイトルになるのではないかという憶測が起きた。任天堂はカンファレンスで、このゲームが北米と日本でのニンテンドーDSの発売タイトルとなることを正式に発表した。ゲームの発売が近づくにつれ、発売スケジュールは頻繁に変更された。多くのゲームが遅延する一方で、他にもニンテンドーDS本体の発売よりも先に発売されるゲームが発表された。スーパーマリオ64DSは、システムと同時に発売される唯一のタイトルであった。

北米では2004年11月21日に発売され、2011年6月5日には、同じくDS用ソフトの『New スーパーマリオブラザーズ』『マリオカートDS』『マリオパーティDS』『マリオ&ルイージRPG3!!!』『マリオvs.ドンキーコング 突撃!ミニランド』と共に廉価版が発売された。日本ではWii U用バーチャルコンソールソフトとして2016年1月6日に発売された。

評価

評論家

スーパーマリオ64DSは賞を受賞し、レビュー集計サイトMetacriticによれば「概ね好意的な評価」を受け、54件のレビューに基づいて加重平均スコア85点(100点満点)を獲得した。Metacriticは本作をその年のベストニンテンドーDSゲーム、歴代ニンテンドーDSゲームの34位にランク付けしている。IGNは発売当時、本作を「エディターズチョイス」に選び、ニンテンドーDS部門の「ゲーム・オブ・ザ・マンス」として表彰した。本作をシステムの性能を示す「素晴らしい成果」と評した。2005年には、ゴールデンジョイスティックアワードでベスト携帯ゲーム賞を受賞している。

発売前には、IGNのクレイグ・ハリスがデモ版をレビューした。オリジナルのグラフィックの再現度の高さを評価し、ニンテンドーDSの小さい画面が視覚的な欠点を隠していると述べた。一方、操作性については「やや鈍い」「不器用」と批判した。グラフィックや新要素を称賛したものの、ローンチタイトルが新作ではなくリメイクだという点に失望を示していた。IGNのアヌープ・ガンタイヤットは、このゲームがアメリカのゲーム愛好者にとって大ヒットになるだろうと予想していた。日本では、ファミ通が本作を「期待するゲームランキング」で29位にランク付けしている。

評論家は、オリジナルのNINTENDO 64版の忠実な再現、新要素、およびアップグレードの点で本作を賞賛した。GameSpyのフィル・シーオボールドは、スーパーマリオ64DSを「素晴らしい」と評価し、ミニゲームやセカンドスクリーンの利用、追加スターなどの新要素を称賛した。また、オリジナルのゲームプレイが発売から10年経った後も十分に楽しめることを指摘した。ハリスは、オリジナルのスーパーマリオ64の持ち味を維持しつつ、新しいチャレンジや特徴がゲームの長寿命化に寄与したと述べた。グラフィックやオーディオを高く評価し、本作をニンテンドーDSの性能を証明する良いデモンストレーションと位置付けた。GameSpotのジェフ・ガーストマンもグラフィックを称賛し、特に多いポリゴン数や滑らかなフレームレートに言及した。ガーストマンは本作を「古典的なゲームの素晴らしいアップデート」と評し、変更点や追加要素によってオリジナルファンにとっても新しい体験を提供していると述べた。

一方、1UP.comのジェレミー・パリッシュは、新コンテンツが十分で購入価値があるとは言えないと感じていた。追加キャラクターを「良いひねり」と評価したものの、レビューの結論として本作を「考えの浅い移植版」と呼び、オリジナルの環境でプレイするべきだと述べた。

その他の批判は、操作性やマルチプレイモードに集中していた。シーオボールドはアナログスティックがないため、操作がオリジナルゲームより難しいと感じ、調整期間が必要だと述べた。さらにデジタルパッドやタッチスクリーンの仮想アナログ操作が「トリッキー」で練習が必要だと評価した。ハリスも同様のコメントを示し、タッチスクリーンはアナログスティックのように物理的なフィードバックを提供しないと述べた。また、本作は元々アナログスティックを使わずにプレイするように設計されていないと指摘した。ガーストマンはマルチプレイモードについて「派手さに欠ける」と評し、楽しめる期間が短いと感じたが、システムのワイヤレスマルチプレイ機能を示す良い特典だと述べた。シーオボールドもこれを好評価し、しかしすぐに飽きってしまう「余興」として扱ったと評価した。

第8回インタラクティブ・アチーブメント・アワードにおいて、Academy of Interactive Arts & Sciencesはスーパーマリオ64DSに「ワイヤレスゲーム・オブ・ザ・イヤー」の賞を授与し、「携帯ゲーム・オブ・ザ・イヤー」部門にもノミネートした(この部門は『メトロイド ゼロミッション』が受賞)。

売上

スーパーマリオ64DSは商業的に成功を収めた。日本で発売されて以降、2004年12月19日までに24万1000本を販売し、その週の週間売上ランキングで5位にランクインした。その後も売上は伸び続け、2005年2月20日までには63万9000本を販売した。このゲームは頻繁にAmazonの売上ランキングに登場した。2006年6月の初週にはニンテンドーDS用ゲームとして6位にランクインし、月末には3位に上昇した。2006年7月末には再び8位にランクインした。2008年初頭、Amazon.comのランキングで、アメリカ国内で7番目に売れているニンテンドーDSゲームとしてリストされた。アメリカでは、2006年8月までに140万本を販売し、4200万ドルの収益を上げた。2000年1月から2006年8月の間に発売されたニンテンドーDS用ゲームの中で、7番目に売れたタイトルであった。2006年11月までにヨーロッパで100万本以上を販売し、2007年末までにはアメリカで200万本を超える売上を記録した。2011年5月31日までにアメリカで434万本を販売し、2012年10月には売上が500万本を超えたと任天堂が発表した。2018年3月31日現在、スーパーマリオ64DSは全世界で1106万本の売上を記録している。

脚注

出典

外部リンク

  • 公式サイト

【実況】スーパーマリオ64DS 5 ニコニコ動画

【配信】ヨッシーとヒゲたちとスターコンプまで行くスーパーマリオ64DS YouTube

スーパーマリオ64DSを実況プレイ part20 ニコニコ動画

【マリオ64DS 最終回】名作マリオ64のリメイク作「スーパーマリオ64DS」を初見プレイ END【スター150枚コンプへ】 YouTube

スーパーマリオ64とスーパーマリオ64DSの違いまとめ YouTube