石町時の鐘(こくちょうときのかね)は、東京都中央区に鐘が現存している時の鐘であり、鐘が東京都指定文化財である。また、本石町時の鐘ともいう。

歴史

江戸時代、徳川秀忠の頃、時の鐘は江戸城西の丸に置かれていた。鐘楼堂が御座所に近く差し障りがあったため、1626年に時の鐘を辻源七が本石町三丁目(今の日本橋本町四丁目)に移して鐘楼堂を建て、城内の時報には太鼓を使うことになった。なお、江戸幕府が認めた時の鐘は他にも合わせて全部で9か所あった。

1710年に起こった火災で鐘楼などが焼失し、現在の時の鐘は1711年に作られた物である。高さは1.7メートルで口径は93cmである。また時の鐘は寺社の鐘と違い、公費で運営していたので、時の鐘が聞こえる約四百町(初めは三百町ほど)の範囲から鐘撞き料(町人は間口一間につき四文)を徴収していた。鐘を鳴らす基準となる時間は、江戸城からの太鼓の音を基準にしていた。また、与謝蕪村は時の鐘の近くに住んでいた。明治4年9月、時の鐘は廃止され、1930年(昭和5年)に鐘が十思公園に移される。その後1953年に東京都指定文化財に指定された。現在の鐘楼は鉄筋コンクリート造りである。また、現在は大晦日のみ鐘が撞かれている。

時の鐘を読んだ川柳

  • 「石町は江戸を寝せたり起こしたり」 - 江戸時代の時間感覚は、時の鐘を参考にしていた。
  • 「石町の鐘はオランダまで聞こえ」 - 時の鐘の近くに長崎屋(オランダ商館の使節が滞在した)があったから

出典

関連項目

  • 日本橋本石町
  • 吉田松陰 - 現在、鐘楼がある十思公園内に終焉の碑が残されている。
  • 伝馬町牢屋敷 - 江戸時代には時の鐘の鐘楼の近くにあり、処刑が行われる日などは鐘撞き番が鐘を撞く時間を遅くし、処刑の時間を遅くした。
  • 大安楽寺

石町時の鐘 一般社団法人中央区観光協会

石町時の鐘 武士の館

時の鐘(1) 石町(こくちょう)の時の鐘 気ままに江戸♪ 散歩・味・読書の記録

『石町時の鐘』日本橋(東京)の旅行記・ブログ by KawakamiKenさん【フォートラベル】

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