長崎省吾

長崎 省吾（ながさき しょうご、1850年12月15日（嘉永3年11月12日） - 1937年（昭和12年）2月6日）は、日本の官僚。宮中顧問官。

経歴

• 1850年（嘉永3年） - 薩摩藩士・長崎作右衛門の六男として生まれる。
• 造士館、昌平黌で学び、外務省に入省。その後、アメリカ合衆国に留学してミシガン大学で学び、イギリスにも渡航する。在英日本公使館勤務を命ぜられ、外交官としてロンドンに約6年在勤。ミシガン大学の公式資料に長崎省吾の名はないが、ミシガン・ヒストリカル・コレクションに同大学学長宛のナガサキ・ミチノリ名の手紙が遺されており、同大学を去ったのち米国内を巡り、その後ロンドンに赴き、外交官となったとあり、これが長崎省吾（別名・光範）なら、1873年に在籍していたことが確認される。
• 1880年（明治13年） - 帰国し、宮内省に入省、宮内書記官となる。後に式部官、宮内大臣秘書を歴任。
• 1882年（明治15年） - 明治天皇の特使としてハワイ王国訪問、日本人移民を望むカラカウア国王と会談
• 1884年（明治17年）2月13日 - 兼任 三等掌典
• 1885年（明治18年）9月22日 - 東京女子師範学校御用掛兼勤被免、東京師範学校御用掛兼勤被仰付
• 1887年（明治20年）12月13日 - ドイツ帝国皇族フレデリック・レオポール親王来航に付き接待掛
• 1888年（明治21年）3月8日 - 兼任　式部主事、奏任官二等、中級俸下賜
• 1889年（明治22年）2月13日 - 故 文部大臣森有礼贈位賜金幣勅使
  • 3月16日 - 賜上級俸
  • 7月23日 - 任 宮内大臣秘書官 兼 式部官、叙奏任官二等、賜二級俸、宮内書記官事務補助
  • 10月4日 - 京都行幸供奉
• 1891年（明治24年）5月13日 - 京都行幸供奉
  • 10月22日 - 宮内次官花房義質神奈川県下行幸供奉随行
• 1893年（明治26年）3月28日 - 免兼勤　式部職事務
  • 4月13日 - 第四回内国勧業博覧会事務官
  • 6月23日 - 東伏見宮依仁親王 欧米へ差遣に付随行
• 1895年（明治28年）
  • 3月19日 - 叙二等
  • 6月27日 - 免 小松宮家令
  • 7月5日 - 京都本局出張所へ出張
  • 10月21日 - 井上馨朝鮮国へ被差随候ニ付随行被仰付
• 1897年（明治30年）9月 - 調度局長
  • 12月28日 - 故従一位公爵島津忠義葬儀掛、鹿児島出張
• 1898年（明治31年）2月23日 - 内匠頭股野琢不在中代理
• 1899年（明治32年）6月22日 - ドイツ帝国ハインリッヒ親王来航に付き接伴員
• 1900年（明治33年）4月24日 - 兵庫県下行幸供奉、兵庫県下行幸会計主務官
• 1901年（明治34年）11月3日 - 宮城県下行幸供奉、宮城県下行幸会計主務官
• 1904年（明治37年）2月16日 - 兼任 宮中顧問官、叙一等
• 1905年（明治38年）7月22日 - アメリカ合衆国来賓接伴員
• 1906年（明治39年）11月19日 - 伏見宮貞愛親王 イギリスへ差遣に付随行
• 1907年（明治40年）11月12日 - 茨城県下行幸供奉
• 1908年（明治41年）6月23日 - 依願免 宮内大臣秘書官、賜一級俸
• 1910年（明治43年）9月28日 - 清国皇族載洵来航に付き接伴員
  • 12月10日 - 兼任 別当、叙 高等官二等
• 1911年（明治44年）11月4日 - 福岡県下行幸供奉
• 1937年（昭和12年）2月6日 - 薨去。墓所は多磨霊園。

栄典

位階

• 1881年（明治14年）3月25日 - 正七位
• 1884年（明治17年）3月29日 - 従六位
• 1886年（明治19年）7月8日 - 正六位
• 1891年（明治24年）12月7日 - 従五位
• 1895年（明治28年）4月20日 - 正五位
• 1900年（明治33年）4月20日 - 従四位
• 1905年（明治38年）5月1日 - 正四位
• 1910年（明治43年）5月10日 - 従三位
• 正三位

勲章等

• 1882年（明治15年）2月1日 - 勲六等単光旭日章
• 1887年（明治20年）11月25日 - 勲五等双光旭日章
• 1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
• 1893年（明治26年）12月28日 - 勲四等瑞宝章
• 1895年（明治28年）12月4日 - 勲三等旭日中綬章
• 1904年（明治37年）12月27日 - 勲二等瑞宝章
• 1906年（明治39年）4月1日 - 旭日重光章・明治三十七八年従軍記章
• 1908年（明治41年）4月30日 - 勲一等瑞宝章
• 1915年（大正4年）
  • 11月7日 - 銀杯一組
  • 11月10日 - 大礼記念章
• 1916年（大正5年）1月19日 - 旭日大綬章

外国勲章佩用允許

• 1885年（明治18年）5月25日 – スウェーデン＝ノルウェー連合王国：北極星第三等勲章
• 1887年（明治20年）10月5日 - ドイツ帝国：王冠第二等勲章
• 1888年（明治21年）1月20日 - シャム王国：タイ王冠勲章コマンダー
• 1891年（明治24年）6月1日 - オスマン帝国：美治慈恵第三等勲章
• 1894年（明治27年）
  • 10月30日
    • ベルギー王国：レオポール勲章コマンドール
    • オランダ王国：オラニエ＝ナッサウ勲章（en）コマンドゥール
    • デンマーク王国：ダンネブロ勲章コマンドール・ド・スゴンドクラス
    • スウェーデン王国：聖オーラヴ勲章コマンドール・ド・スゴンドクラス
    • ドイツ帝国：コローネン・オルデン・ミッツステルン・オルデン・ツヴハイテル・クラッセ勲章
    • ザクセン王国：アルブレクト勲章コンマンドール・ド・スゴンドクラス
    • ザクセン＝ヴァイマル＝アイゼナハ大公国：コムツール・ミッツステルン・ウバイセン・ファルケン勲章
    • オスマン帝国：メディジディー勲章第一等
    • オーストリア帝国：ダス・コムツール・クロイツ・ミッツステルン・アルフレヘヒス・ティーレス・フランツヨーゼフ勲章
    • スペイン王国：シャルトロワー勲章コンマンドール・エキストラオルヂネール
  • 12月24日 - セルビア王国：タクウォ勲章コマンドル・フォルストクラス
• 1895年（明治28年）10月31日 - イタリア王国：王冠第三等勲章
• 1899年（明治32年）4月21日 - 大清帝国：第二等第一双竜宝星
• 1901年（明治34年）5月17日 - フランス共和国：レジオンドヌール勲章コマンドゥール。
• 1902年（明治35年）
  • 10月13日
    • イタリア王国：聖マウリッツィオ・ラザロ勲章第二等
    • スペイン王国：イサベル・ラ・カトリカ第一等勲章
    • ロシア帝国：聖スタニスラス勲章第一等
    • フランス共和国：レトアルノアル第二等勲章
  • 10月28日 - 大英帝国：皇帝皇后両陛下戴冠記念章
  • 12月26日 - ベルギー王国：クーロンヌ勲章グランオフヒシエ
• 1905年（明治38年）6月27日 - 大韓帝国：勲一等太極章
• 1907年（明治40年）11月29日 - プロイセン王国：赤十字第三等記章
• 1927年（昭和2年）4月19日 - ドイツ国：赤十字第一等名誉章

親族

• 父・長崎作左衛門 ‐ 鹿児島士族
• 兄・長崎用蔵 ‐ 第百十八銀行頭取
  • 妻・たか ‐ 薩摩藩士・岩城勇次郎の長女。妹マスの夫に男爵毛利重輔。
  • 長男・長崎剛十郎（1861-） ‐ 大蔵省、宮内省を経て横浜正金銀行ニューヨーク支店長。東京大学文学部理財政治科卒（明治十六年事件で退学処分されたのち復学）。
  • 五男・長崎竹十郎（1876-） ‐ 川崎造船所を経て帝国商業銀行入行、支配人。東京高等商業学校卒。
  • 六男・長崎栄十郎（1889-） ‐ 高等文官試験合格後、商工書記官などを経て日本製鉄取締役。東京帝国大学法科大学政治科卒。岳父に西郷菊次郎。
• 妻・多恵子 ‐ 寺島宗則の娘。
• 長男・長崎守一 ‐ 陸軍步兵少佐で、その妻・歌子は伊藤軍兵衛の孫。
• 長女・佐恵子 ‐ 用蔵の五男・竹十郎の妻。学習院女学部出身。
• 次女・良子 ‐ 出身校同上。
• 三女・千代子 ‐ 子爵大島久直の嗣子・久忠の妻出身校同上。
• 四女・真佐子 ‐ 男爵三須精一の妻。出身校同上。。

脚注

参考文献

• 人事興信所 編『人事興信録 初版』人事興信所、1903年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/779810。 
• 霞会館華族家系大成編輯委員会 編『平成新修旧華族家系大成 上巻』霞会館、1996年。ISBN 4642036709。