『鶴瓶のスジナシ』(つるべのスジナシ)は、1998年10月から2014年6月まで中部日本放送→CBCテレビで放送されていたエチュード(即興ドラマ)番組、トーク番組、バラエティ番組である。舞台化やライブビューイングもされている。
番組概要
笑福亭鶴瓶と一人のゲスト俳優が1つのセット内でエチュード(即興ドラマ)を十数分間演じ、収録したドラマを見ながら反省会(プレビュートーク)を行う。収録当日までゲストが誰なのかは伏せられる。2011年4月より中井美穂が番組進行役に加わり、反省会にも参加した。
BS-i(現・BS-TBS)での放送があったことから、地上波でも2001年4月(板尾創路の出演回)から、プレビュートークのみハイビジョン放送されていた。2003年7月(大沢樹生の出演回)からは、即興ドラマもハイビジョンとなった。
番組開始までの経緯
番組開始のきっかけは、『ミッドナイト東海』(鶴瓶がパーソナリティを務めていた東海ラジオの深夜番組)に携わっていたサンデーフォーク(CBCと同じく名古屋市に本社を置くイベント運営・番組制作会社)の初代社長・井上隆司が、全国的な活躍ゆえに在名局でレギュラー番組を持っていなかった鶴瓶に対して、「そろそろ名古屋で何か(番組を)やってよ」と打診したことにある。『ミッドナイト東海』のような中高生向けの番組を企画する前提での打診だったが、鶴瓶から「今は役者(俳優)さんに私生活を訊く番組が多いけど、ちゃんとしたインタビュー番組がない。役者と一緒に演技してから、その演技について会話ができるような番組はできないか?」と提案されたことを受けて、企画を変更した。井上は最初に東海テレビ(東海ラジオの関連会社)へ企画を持ち掛けたものの、実現に至らなかったため、競合局に当たるCBCが企画を受け入れたという。
番組の変遷
制作局のCBCを基に記す。
- 1998年『スジナシ』として開始。毎週水曜・深夜0時40分からの30分
- 番組開始当初は観覧制度はなかったが、その後しばらくして立見で数人のみ観客を入れるようになった。この頃はドラマスタジオとトークスタジオは同じだった。
- 毎週金曜・深夜0時35分からの1時間
- 放送時間拡大に伴い観客の人数は大幅に増えたが、直接観覧できるのはトーク部分のみで、ドラマ部分は別スタジオでモニターを通して見ることになった。
- 毎週月曜・深夜0時55分からの1時間
- 2001年4月から新作が月1回のみで他の週は再放送になった。
- 毎月第1土曜・午後4時からの1時間
- この頃、一時期ドラマスタジオとトークスタジオを同じにして、観客が直接ドラマを観られるようにしたこともあったが、数回で元に戻った。
- また、1度だけ生放送が行われた(2002年7月20日放送分。この日のゲストは柳沢慎吾)。
- 毎月最終月曜・深夜11時55分からの1時間
- 毎月最終木曜・深夜0時55分からの1時間
- 原則毎月最終日曜・深夜1時5分から1時間(CBCエンターテインメントスペシャル)
- 原則毎月第3日曜・深夜1時5分から1時間(CBCエンターテインメントスペシャル)
- 毎週火曜・深夜0時59分からの1時間。
- 新作はそれまで通り月1回で、その他の週では過去放送分の再放送と行うというスタイルである(関東地区の地上波(TBS)では初OAである)。また放送当時「CBCエンターテインメントスペシャル」と表示していた本編オープニングは、「スジナシ」という表示に差し替えられている。
- 毎週火曜・深夜0時33分からの30分。
- 2011年4月より番組リニューアル、新たに中井美穂が進行役として番組に加わる。放送時間は30分に短縮されるが、毎週新作が放送されるようになった。番組タイトルも『鶴瓶のスジナシ』に正式に変更される。セットは「スジナシ劇場」と称し、劇場にて即興ドラマを公演されるという方式に変更された。また、進行役の中井美穂が番組の最後にタイトルを決め、「本日の公演」という劇場チラシが貼られる。
- 2014年6月、番組終了。
- 2015年9月以降、舞台版スジナシ『スジナシシアター』がTBSで定期的に放送されている。
出演者
- 進行役:笑福亭鶴瓶、中井美穂
- ゲスト:1名
※ 中井は2011年4月からの出演。
ナレーター
- 初代:小高直子(中部日本放送アナウンサー)
- 2代目:丹野みどり(当時:中部日本放送アナウンサー)
※ ナレーションは、2011年4月の番組リニューアルで廃止された。
東京進出
2004年12月23日(鶴瓶の誕生日)放送分はゲストに妻夫木聡、設定立案に宮藤官九郎が担当し初めてTBSでも放送された。その日の『はなまるマーケット』の「はなまるカフェ」には鶴瓶がゲストとして登場した。
この番組は一時期、BS-i(現:BS-TBS)でも放送されていた(その時期、BS-iからも「共同制作」ということで番組予算が出ており、これにより番組打ち切りの危機を切り抜けたとされる)。2005年9月からはTBSチャンネルで放送されている(スカパー!HDと一部ケーブルテレビ局での配信はハイビジョン放送。スカパー!e2は16:9フルサイズのSD放送。スカパー!SDと一部ケーブルテレビ局での配信(4:3ノーマルサイズ)はレターボックスの状態で放送)。また、地上波でも東京以外の地域では、毎日放送で2000年4月から10月頃まで、信越放送で過去に不定期で放送されていた経緯があり、北海道放送では2005年12月31日、2006年12月29日、2007年12月31日に放送(それ以降も不定期放送は現在に至るまで何度か行っている)、静岡放送でも2010年9月頃に放送されるなど、BS・CS・一部地域の地上波で事実上全国規模での放送となった。
2009年4月18日(17日深夜)からは、TBSでもレギュラー番組として正式にネットされることとなった。
ネット局
下記の局と時間帯で放送されており、いずれもTBS系列。
過去
番組中、頻繁に「CBC スジナシ[検索]」というテロップが表示される。
製作著作ロゴは「中部日本放送」表記ではなく、2011年3月以前にはローカル放送時のみ使用していた「CBC」表記のロゴだった。また、BS-i(現BS-TBS)と共同制作であった時期にはBS-iのロゴも併記されていた。持株会社化に伴うテレビ部門分社化により、2014年4月以降は「CBCテレビ」表記に変更されている。
2012年2月21日放送分では、CBC・TBSともに字幕放送が行われた。4月から正式に字幕放送を実施。
現在
劇場スジナシ
レギュラー放送時に舞台版の「劇場スジナシ」が行われ、何度かTVで放送された。レギュラー放送は終わったがこの舞台はほぼ毎年行われ、2015年以降はTBSで放送されており、Vol.5以降はparaviなどで配信されている(2023年現在)
- レギュラー放送時
勝村政信・牧瀬里穂・八嶋智人の3名が登場している(過去のスタジオによるスジナシ経験者)。これについてはスタジオ観覧のように無料招待(名古屋の名古屋市芸術創造センターで収録)という形をとっている。これらはレギュラー放送内で放送された
- 2006年
関東地区の要望に応えて2006年3月29日 - 3月31日に、糸井重里(スジナシの御意見番、ほぼ日刊イトイ新聞)の協力により東京・新宿「紀伊國屋ホール」で初の関東の「スジナシ」が行われた。ただしこちらは入場料を要した。なおゲストはいつもどおり当日まで分からない。チケットの一般発売後「ほぼ日刊イトイ新聞」にてスジナシ応援団が募集され、ほぼ日読者の中から各日10名が招待されたがドイツ、ベルギーから観覧に来た客もいた。 っこの模様は、2006年6月2日と7月5日に広末涼子の回がWOWOWにて放送された(イッセー尾形、生瀬勝久の回はダイジェストで放送)。また8月にDVDも発売されている。
- 3月29日 イッセー尾形(後日、イッセーによる「スジナシ」と同様の企画の番組がNHKで放送されている。)
- 3月30日 生瀬勝久
- 3月31日 広末涼子
- 2014年
2014年7月9日 - 7月11日に名古屋の名鉄ホールで「劇場スジナシ」が行われた。これは6月の番組レギュラー終了後初の舞台となる。
- 7月9日 西川貴教(T.M.Revolution)
- 7月10日 百田夏菜子(ももいろクローバーZ)
- 7月11日 要潤
- 2015年3月
2015年3月2日 - 3月4日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.1 Supported by TOYOTOWN ICE GARDEN」と題して行われる。また同公演の模様は、全国の映画館にライブビューイングとして生中継される。
- 3月2日 佐藤浩市
- 3月3日 大島優子
- 3月4日 マツコ・デラックス
- 2015年9月
2015年9月1日 - 9月3日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.2」と題して上演。また同公演の模様は、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 9月1日 米倉涼子
- 9月2日 吉田羊
- 9月3日 妻夫木聡
- 2016年2月
2016年2月10日 - 2月12日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.3」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月10日 濱田岳
- 2月11日 吉田鋼太郎
- 2月12日 二階堂ふみ
- 2016年9月
2016年9月12日 - 9月14日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.4」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 9月12日 小栗旬
- 9月13日 徳井義実(チュートリアル)
- 9月14日 竹内結子
- 2017年2月
2017年2月27日 - 3月1日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.5」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月27日 黒木華
- 2月28日 ムロツヨシ
- 3月1日 向井理
- 2017年9月
2017年9月11日 - 9月13日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.6」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 9月11日 市川猿之助
- 9月12日 吉岡里帆
- 9月13日 坂口健太郎
- 2018年2月
2018年2月26日 - 2月28日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.7」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月26日 鈴木京香
- 2月27日 片桐仁
- 2月28日 中村玉緒
- 2018年9月
2018年9月10日 - 9月12日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.8」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 9月10日 賀来賢人
- 9月11日 宮沢りえ
- 9月12日 安田顕(TEAM NACS)
- 2019年2月
2019年2月25日 - 2月27日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.9」として上演。、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月25日 高橋一生
- 2月26日 成田凌
- 2月27日 吉高由里子
- 2019年9月
2019年9月9日 - 9月11日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.10」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 9月9日 八嶋智人
- 9月10日 笹本玲奈
- 9月11日 天海祐希
- 2020年2月
2020年2月24日 - 2月26日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.11」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月24日 高畑充希
- 2月25日 松坂桃李
- 2月26日 古舘伊知郎
- 2020年9月
2020年9月7日 - 9月9日に東京で「スジナシBLITZシアターVol.12」として上演。また同公演の模様は、前回と同様、3日間とも公演当日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 9月7日 市村正親
- 9月8日 志尊淳
- 9月9日 鈴木保奈美
- 2021年2月
2021年2月26日 - 2月28日に東京で「スジナシ世田谷パブリックシアターVol.13」として上演。また同公演の模様は、3月8日 - 3月10日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月26日 山崎育三郎
- 2月27日 渡辺直美
- 2月28日 中井貴一
- 2021年10月
2021年10月4日 - 10月6日に東京で「スジナシシアターVol.14」として上演。また同公演の模様は、10月11日 - 10月13日の深夜(翌日未明)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 10月4日 東京03:飯塚悟志
- 10月5日 福士蒼汰
- 10月6日 広末涼子
- 2022年
2022年5月27日 - 5月29日に東京で「スジナシシアターVol.15 in シアター1010」として上演。なお、オンライン配信も行われた。また同公演の模様は、6月7日(6日深夜) - 6月9日(8日深夜)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 5月27日 松岡茉優
- 5月28日 田中圭
- 5月29日 竜星涼
- 2023年
2023年2月8日 - 2月10日に東京で「スジナシシアターVol.16」として上演。なお、オンライン配信も行われた。また同公演の模様は、2月21日(20日深夜) - 2月23日(22日深夜)にTBSテレビ(関東ローカル)で録画放送された。
- 2月8日 宮野真守
- 2月9日 片寄涼太(GENERATIONS)
- 2月10日 磯村勇斗
- 2024年
2024年6月29日 - 7月1日に東京で「スジナシシアターVol.17」として上演。
- 6月29日 城島茂
- 6月30日 広瀬アリス
- 7月1日 浦井健治
DVD
発売元は中部日本放送、販売元は第1弾(2004年)から第5弾(2005年)まではコロムビアミュージックエンタテインメント、2009年以降はアニプレックスとなっている。収録順と放送順は関係しておらず、ランダムとなっている。
レギュラー版
- 「スジナシ」(2004年2月18日発売)
- 「スジナシ2」(2004年7月28日発売)
- 「スジナシの箱」(3枚組)(箱は上記1巻、2巻を一緒に収納できるようになっている)(2005年1月26日発売)
各編とも30分時代(2000年9月、#96以前)の作品を2作、60分時代の作品を1作ずつ収録している。
- 「スジナシ笑福亭鶴瓶×妻夫木聡×宮藤官九郎」(2005年7月27日発売)
- 「スジナシ其の一」(2009年9月2日発売)
以降は30分時代の作品を1作、60分時代の作品を3作ずつ収録している。
- 「スジナシ其の二」(2009年9月2日発売)
- 「スジナシ其の三」(2009年9月2日発売)
- 「スジナシ其の四」(2009年11月18日発売)
- 「スジナシ其の五」(2009年11月18日発売)
- 「スジナシ其の六」(2009年11月18日発売)
- 「スジナシ其の七」(2010年1月13日発売)
- 「スジナシ其の八」(2010年1月13日発売)
- 「スジナシ其の九」(2010年1月13日発売)
- 「スジナシ其の十」(2010年8月4日発売)
劇場版
一弾目は東京コロムビア。それ以降は発売元がTBSで販売元は株式会社アニプレックス。詳細は「劇場スジナシ」の項を参照。
- 「劇場スジナシ東京初公演」(2006年08月23日発売)
- 「劇場スジナシ in 名古屋 第一夜 T.M.Revolution 西川貴教 完全保存版」(2015年3月25日発売)
- 公演日:2014年7月9日
- 「劇場スジナシ in 名古屋 第二夜 百田夏菜子(ももいろクローバーZ) 完全保存版」(2015年3月25日発売)
- 公演日:2014年7月10日
- 「劇場スジナシ in 名古屋 第三夜 要潤 完全保存版」(2015年3月25日発売)
- 公演日:2014年7月11日
- 「劇場スジナシ 2015春 in 赤坂BLITZ 第一夜 佐藤浩市」(2015年9月9日発売)
- 公演日:2015年3月2日
- 「劇場スジナシ 2015春 in 赤坂BLITZ 第二夜 大島優子」(2015年9月9日発売)
- 公演日:2015年3月3日
- 「劇場スジナシ 2015春 in 赤坂BLITZ 第三夜 マツコ・デラックス」(2015年9月9日発売)
- 公演日:2015年3月4日
受賞歴
大竹しのぶ出演回において、第48回日本民間放送連盟賞テレビエンターテインメント部門優秀賞、及び平成11年度JNNネットワーク協議会賞 娯楽番組部門 奨励賞を受賞。
田中圭出演回において、第35回放送文化基金賞番組部門テレビエンターテインメント番組優秀賞を受賞。
Youtube
2021年4月1日よりyoutube「鶴瓶のスジナシ【公式】」にて名作・傑作選の公開が開始。毎週金曜日に一話ずつ追加されている。スジナシがYouTubeになりましたと鶴瓶が告知する動画も追加された。
関連番組
- ざこば・鶴瓶らくごのご(即興落語番組)
- 鶴の間(即興漫才番組)
- イッセー尾形の「たった二人の人生ドラマ」(NHK福岡放送局制作で2006年8月13日放送の即興ドラマ番組)
- むちゃぶり!(架空の事実をアドリブで創り上げながらトークを展開する、トーク版「スジナシ」とも言える番組)
脚注
外部リンク
- hicbc.com:鶴瓶のスジナシ
- 鶴瓶のスジナシ | TBSテレビ
- 「スジナシBLITZシアター」supported by TOYOTOWN ICE GARDEN | サンライズプロモーション東京 - ウェイバックマシン(2015年2月4日アーカイブ分)
- ライブ・ビューイング・ジャパン : ライブ・ビューイング「スジナシBLITZシアター Supported by TOYOTOWN ICE GARDEN」
- 2001年時の公式サイト
- スジナシシアター【公式】 (@sujinashi_tbs) - X(旧Twitter)
- 鶴瓶のスジナシ - YouTubeチャンネル(2021年4月1日~)