『トゥルー・ロマンス』(True Romance)は、1993年のアメリカ映画。脚本 : クエンティン・タランティーノ、監督 : トニー・スコット、製作 : ワーナー・ブラザース。
解説
爽快な展開のロード・ムービーだが、アクション・バイオレンスとラブ・ロマンスの要素と暴力・ドラッグ、そしていくらかのセックスで満たされたラブストーリー。
主人公がコミック・ショップに勤め、千葉真一主演の映画『激突! 殺人拳』を観ているシーンや、主人公の部屋に千葉の主演映画『カミカゼ野郎 真昼の決斗』と『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』のポスターがそれぞれ貼ってある様は、脚本を執筆したクエンティン・タランティーノ自身を投影させている。
脇役で著名な俳優が多く出演していることは(#キャスト参照)、翌年公開されたタランティーノが演出した『パルプ・フィクション』にも共通している。
愛し合う男女の危険で暴力的な逃避行という設定は、1973年のテレンス・マリック監督『地獄の逃避行』へのオマージュであり、テーマ音楽の「You're So Cool 」は、『地獄の逃避行』のテーマ曲:カール・オルフの「Gassenhauer 」を意識したものとなっている。脚本ではエンディングで2人とも死ぬ設定だったが、監督のトニー・スコットがどうしてもハッピーエンドで終わりたいという希望から急遽脚本を変更した。このためタランティーノはヘソを曲げ、脚本の権利を返却させようとしたが、既に撮影に入っており多額の損が出るため、主役のクリスチャン・スレーターがタランティーノに直談判し、「たのむよ、クエンティン。クラレンスを殺さないでくれ」と説得して渋々了承させた。
日本公開時のキャッチコピー「獰猛な愛だけが生き残る」。
ストーリー
ある夜、若い男が若い女に出会う。2人は深い恋に落ち、翌日には結婚する。しかし女は、コールガールだった。男は彼女のポン引きを殺し、彼女の荷物と間違えてヒモのコカインを盗んでしまう。しかもそのコカインは、イタリアン・マフィアのものだった。マフィアに追われて逃亡する2人。やがてそこにハリウッドのワル、警察も複雑に絡んできて…。
スタッフ
- 監督:トニー・スコット
- 脚本:クエンティン・タランティーノ
- 音楽:ハンス・ジマー
キャスト
評価
映画批評サイトのRotten Tomatoesは、51件のレビューに基づき92%の評価を示し、評価の平均点を10点中7.5点としている。 また批評家の総意を「本作は最高の意味で面白く暴力的な行動を描いている」としている。
批評家のロジャー・エバートは、4つ星満点中3つ星の評価を付けた。また、この映画のエネルギーとスタイルは爽快であるとし、 クリスチャン・スレーターは、映画が必要としている生意気な無謀さを持っており、パトリシア・アークエットは、ふしだらな女と親友という役を魅力的に描いたと評している。
脚注
外部リンク
- トゥルー・ロマンス - allcinema
- トゥルー・ロマンス - KINENOTE
- True Romance - オールムービー(英語)
- True Romance - IMDb(英語)