イシダイ科(学名:Oplegnathidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群(科)の一つ。イシダイ属 Oplegnathus のみ1属で構成され、イシダイ・イシガキダイなど7種が含まれる。
分布・生態
イシダイ科の魚類はすべて海水魚で、南アフリカ・日本・オーストラリア南部・ハワイ諸島・ガラパゴス諸島・ペルーなど、インド洋から太平洋にかけて幅広く分布する。日本の沿岸からはイシダイ・イシガキダイの2種が知られている。
稚魚は流れ藻に帯同した浮遊生活を送り、ある程度成長すると海底に移行して、浅い海の岩礁地帯で暮らすようになる。釣魚・食用魚としての需要が高く、各地で養殖が行われている。
形態
体高はやや高く、左右に平たく側扁した、いわゆる鯛型の体つきをしている。最大種(Oplegnathus conwayi)は全長90cmにまで成長する。
成魚の歯は癒合して単一の歯板となり、ブダイ科に似たオウムの嘴のような形状をとる。咽頭歯の形状はブダイ類とは異なっており、フジツボやウニを砕いて食べることができる。鱗は非常に小さい。
背鰭は11-12本の棘条と11-22本の軟条で構成され、臀鰭は3棘11-16軟条。稚魚は背鰭棘条部と軟条部の高さがほぼ同じである一方、成魚では棘条部の丈が低くなる。
分類
イシダイ科にはNelson(2016)の体系において、イシダイ属のみ1属7種が認められている。イシガキダイはイシダイとの交雑種(キンダイ)が人工的に作出されているほか、自然界においても同様の交雑例が報告されている。
- イシダイ属 Oplegnathus
- イシダイ Oplegnathus fasciatus
- イシガキダイ Oplegnathus punctatus
- Oplegnathus conwayi
- Oplegnathus insignis
- Oplegnathus peaolopesi
- Oplegnathus robinsoni
- Oplegnathus woodwardi
出典・脚注
参考文献
- Joseph S. Nelson, Terry C. Grande, Mark V.H. Wilson 『Fishes of the World Fifth Edition』 John Wiley & Sons, Inc. 2016年 ISBN 978-1-118-34233-6
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2
- 中坊徹次編 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』 東海大学出版会 2013年 ISBN 978-4-486-01804-9
外部リンク
- FishBase - イシダイ科 (英語)