カイロ・ライト・レール・トランジット(英語: Cairo Light Rail Transit、アラビア語: القطار الكهربائي الخفيف)は、エジプトの都市高速鉄道。首都であるカイロ東部に建設中の新首都(新行政首都)とカイロを含む周辺都市を結ぶ路線で、2022年に最初の路線が営業運転を開始した。
概要
カイロ東部の新行政首都を中心に、首都・カイロやラマダン10日市、バドル市、オブール市、エル・ショルーク市といった、カイロ都市圏を構成する都市や地区を結ぶ鉄道路線。2017年8月にエジプトのトンネル公社と中国の中国鉄路工程総公司、AVICインターナショナルのコンソーシアムの間で12億4,000万米ドル分のプロジェクトに関する契約が交わされ、合計35社のエジプトや中国の企業が参加した。運営権については2021年3月にフランスのRATPデヴが15年分の契約を交わしている。
第一段階と位置付けられた全長70 km・12駅の区間はカイロ東部の交通拠点でカイロ地下鉄3号線と接続するアドリー・マンスール駅と新行政首都を結んでおり、2022年7月3日に出発式が行われた。以降も延伸工事が進められており、最終的には全長104.5 km、19駅を有する路線網となる予定である他、新行政首都方面の路線については更なる延伸が検討されている。
路線
カイロ・ライト・レール・トランジットは、バドル(Badr)で分岐する支線を含めた以下の路線が存在、もしくは計画されている。全駅に駐車場が完備され、利便性が図られている。
新行政首都方面
ラマダン10日市方面
車両
カイロ・ライト・レール・トランジットで使用されている車両は、中国中車青島四方機車車輛股份有限公司製の電車で、開通に合わせて132両(6両編成22本)の導入が行われている。最高速度は120 km/hで、車体や機器は強風や砂への対策が講じられており、定員数は2,222人である。また、中国中車は車両製造に合わせて12年間の保守契約も結んでいる。