『ロック・オブ・エイジズ』(Rock of Ages)は、カナダ出身のロック・バンドであるザ・バンドが1972年に発表した通算5作目のアルバムである。彼等の初のライヴ・アルバムとして2枚組で発売された。
解説
経緯
ザ・バンドは1971年12月27日から31日まで4夜連続で、ニューヨークのアカデミー・オブ・ミュージックでコンサートを開催することになった。彼等はこれらのコンサートにホーンセクションを導入することに決め、同年9月に発表した4作目のアルバム『カフーツ』(1971年)に招いたアラン・トゥーサンに再び編曲を要請した。また友人だったジャズ・ミュージシャンのハワード・ジョンソンをマスターに5人のホーン・セクションを編成することになった。
トゥーサンはコンサートの10日前にニューオーリンズからザ・バンドの本拠地であるニューヨーク州ウッドストックに来たが、編曲の為に数週間に亘って書き溜めていた楽譜が入ったブリーフケースをニューヨーク州の空港で盗まれてしまった。彼は到着早々大急ぎで編曲を再開し、数日後には両耳に感染症を患ったものの、クリスマスが終わる頃まで完成させた。
ジョンソンとジョン・サイモンによって4名のミュージシャンが集められて、ザ・バンドのメンバーを含む全員がロングアイランドのUltra-Sonic Recording Studiosでのリハーサルに臨んだ。
内容
収録曲17曲の内訳は以下の通り。
- アルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1968年)から4曲
- アルバム『ザ・バンド』(1969年)から5曲
- アルバム『ステージ・フライト』(1970年)から3曲
- アルバム『カフーツ』(1971年)から1曲
- 未発表曲2曲
- カバー2曲
CD再発盤(Capital Records 72435-30181-2-2)にはボーナス・トラックとして、最終日のアンコールにゲスト出演したボブ・ディランの4曲を含む10曲が追加された。
収録曲
- LP
- CD
Capital Records 72435-30181-2-2
参加ミュージシャンほか
- リック・ダンコ(Rick Danko) – ベース、ヴォーカル、フィドル
- リヴォン・ヘルム(Levon Helm) – ドラムス、ヴォーカル、マンドリン
- ガース・ハドソン (Garth Hudson) – オルガン、クラビネット、アコーディオン、テナーサクソフォーン・ソロ、ソプラノサクソフォーン・ソロ
- リチャード・マニュエル(Richard Manuel) – ピアノ、ヴォーカル、ドラムス
- ロビー・ロバートソン (Robbie Robertson) – ギター、ヴォーカル
- スヌーキー・ヤング(Snooky Young) – トランペット、フリューゲルホルン
- ハワード・ジョンソン(Howard Johnson) – バリトンサクソフォーン、チューバ、ユーフォニアム
- ジョー・ファレル(Joe Farrell) – テナーサクソフォーン、ソプラノサクソフォーン、イングリッシュホルン
- アール・マッキンタイア(Earl McIntyre) – トロンボーン
- J.D. パロン(J.D. Parron) – アルトサクソフォーン、E-フラット クラリネット
- ボブ・ディラン(Bob Dylan) – ヴォーカル、ギター(CD Disc Two #7‐10)
- ホーン・アレンジメント – アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)
- エンジニア – フィル・ラモーン(Phil Ramone)、マーク・ハーマン(Mark Harman)
Live At The Academy Of Music 1971 (The Rock Of Ages Concerts)
2013年、"Live At The Academy Of Music 1971 (The Rock Of Ages Concerts)"が発売された。
脚注
注釈
出典
引用文献
- Robertson, Robbie (2015). Testimony. Windmill Books; 1st edition. ISBN 978-0099510956