シトルリン血症(シトルリンけっしょう、英語: citrullinemia; CTLN)は、血中のシトルリンの濃度が上昇する疾病。

常染色体劣性遺伝によって起こる代謝異常疾患。

病態

高アンモニアと高シトルリン血症をきたす疾患。

種類

酵素の異常に種類によって以下に分類される。

臨床像

Ⅰ型シトルリン血症

尿素サイクル異常症の一つとしてアルギニノコハク酸尿症と共に新生児マススクリーニングで検索対応されている。対応が遅れると発達遅滞を生じうる。

Ⅱ型シトルリン血症

  • NICCD
    • 新生児マススクリーニングで異常とされ発見される場合や、その他に遷延性黄疸・体重増加不良を呈する場合での検査で発見されることがあるが、比較的無症状であることが多いとされている。1歳頃までに自然に改善してしまうことが多い。
  • FTTDCD (Failure to thrive and dyslipidemia caused by citrin deficiency)
    • NICCDとCTLN2の間の時期を指し、見かけ上は健常人と変わらない時期を言う。糖質を摂取することで体調不良を生じることが多く、炭水化物や甘いものといった糖質を嫌って、豆類や乳製品といった蛋白質と脂質を好むといった特徴的な偏食となることが知られている。
  • CTLN2
    • 高アンモニア血症での、肝性脳症を生じることによって、原因不明の意識障害・行動異常・痙攣を繰り返すことで発見される。アンモニア値は食事時期によって変動することが知られており、食後や昼~夕食後での血液検査では高値となり、絶食後や明朝時の血液検査では正常値であることも多く、アンモニア異常なしと誤認されることもある。また、急性膵炎を繰り返したり、肝癌の発症率が高いことも知られている。

検査

基本的に遺伝子診断による確定診断がなされる。

血液検査

  • 新生児マススクリーニング
  • 血中アミノ酸分析
  • アンモニア高値
  • 膵分泌性トリプシンインヒビター(pancreatic secretory trypsin inhibitor:PSTI)

遺伝子検査

  • Ⅰ型・Ⅲ型シトルリン血症::9q34 ASS遺伝子異常
  • Ⅱ型シトルリン血症::SLC25A13異常

治療

Ⅰ型シトルリン血症

尿素サイクル異常症と同じ対応となる。高糖質食低蛋白食対応を指示していく。

Ⅱ型シトルリン血症

  • NICCD
    • 遷延性黄疸や体重増加不良の場合には、乳糖除去ミルクや、中鎖脂肪酸トリグリセリドミルクの服用を行う。1歳頃までに自然に改善してしまうことが多い。
  • FTTDCD (Failure to thrive and dyslipidemia caused by citrin deficiency)
    • 上記の特徴的な偏食を無理に是正させることなく、患者の希望通りの低糖質食高蛋白高脂質食を継続させる。
  • CTLN2
    • 肝硬変での肝性脳症における、高アンモニア血症に対しての治療としては、一般的に低蛋白高糖質食であるが、本症例では逆に症状増悪となるため、低糖質高蛋白高脂質食で対応される。またアルギン酸投与やピルビン酸ナトリウム投与による薬物治療も行われる。アンモニア高値時の意識障害時には、肝性脳症と同じく分岐鎖アミノ酸製剤やラクチトール投与等は施行される。なお、脳浮腫時にはグリセオールは逆に意識障害を助長することになるため行われない。基本的に食事対応にても意識障害を繰り返す症例に対しては、根本治療として肝移植を考慮していく。

関連項目

  • 黄疸
  • ガラクトース血症
  • 高脂血症、脂肪肝

Lシトルリン:日本先天代謝異常学会

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