『チェス』(原題:Chess)は、冷戦をテーマにしたミュージカル。ABBAのメンバーであったベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲し、ティム・ライスが作詞を担当。
1984年、ミュージカル初演に先立ちコンセプト・アルバムがリリースされる。なかでもシングル・リリースされたマレー・ヘッドによる『ワン・ナイト・イン・バンコック』は英米でスマッシュ・ヒットとなり、続くエレイン・ペイジとバーバラ・ディクソンによるデュエット『アイ・ノウ・ヒム・ソー・ウェル』は英国で大ヒットを記録した。
1986年にロンドンのウェスト・エンドで行われ、その後3年間上演される。1988年アメリカのブロードウェイ公演では、脚本や音楽を大きく変更し上演するが、2カ月で終了する。その後、演出に変更が加えられながら世界各国で上演される。
コンセプト・アルバム
1984年にリリースされ、ローリング・ストーン誌やタイム誌等多くのメディアに絶賛される。全英ヒットチャートでは10位、全米ビルボードでは47位を記録する。
キャスト
- アメリカ人:マレー・ヘッド (Murray Head)
- ロシア人:トミー・ショールベリ (Tommy Körberg)
- フローレンス:エレイン・ペイジ (Elaine Paige)
- モロコフ:デニス・クイリー (Denis Quilley)
- 審判員:ビョルン・スキフス (Björn Skifs)
- スヴェトラーナ:バーバラ・ディクソン (Barbara Dickson)
収録曲
ウェスト・エンド プロダクション (1986年–1989年)
キャスト
- フレデリック・トランパー: マレー・ヘッド (Murray Head)
- フローレンス・ヴァッシー: エレイン・ペイジ (Elaine Paige)
- アナトリー・セルゲイフスキー: トミー・シェルベリ (Tommy Körberg)
- アレクサンダー・モロコフ: ジョン・ターナー (John Turner)
- ウォルター・コーシー: ケヴィン・コルソン (Kevin Colson)
- 審判員: トム・ジョーブ (Tom Jobe)
- スヴェトラーナ・セルギエフスカヤ: シボーン・マッカーシー (Siobhán McCarthy)
- メラーノ市長: リチャード・ミッチェル (Richard Mitchell)
- TVプレゼンター: ピーター・カリー (Peter Karrie)
- 公務員: リチャード・リンドン (Richard Lyndon)、ポール・ウィルソン (Paul Wilson)
曲目
ブロードウェイ プロダクション (1988年)
キャスト
- フレディ: フィリップ・カズノフ (Philip Casnoff)
- フローレンス: ジュディ・クーン (Judy Kuhn)
- アナトリー: デイヴィッド・キャロル (David Carroll)
- モロコフ: ハリー・ゴッツ (Harry Goz)
- ウォルター: デニス・パーラト (Dennis Parlato)
- 審判員: ポール・ハーマン (Paul Harman)
- スヴェトラーナ: マーシャ・ミッツマン (Marcia Mitzman)
- グレゴール・ヴァッシー: ニール・ベン=アリ (Neal Ben-Ari)
- ヤング・フローレンス: ジーナ・ギャラガー (Gina Gallagher)
- ニコライ: カート・ジョーンズ (Kurt Jones)
- ジョー、ハロルド (大使館員): リチャード・メンツ (Richard Muenz)、エリック・ジョンソン (Eric Johnson)
- ベン: キップ・ニーヴン (Kip Niven)
曲目
各国プロダクション・コンサート
アイルランド、エストニア、オーストラリア、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ノルウェーハンガリー、南アフリカ共和国で上演される。
ロイヤル・アルバート・ホール Chess in Concert (2008年)
キャスト
- フレデリック・トランパー:アダム・パスカル (Adam Pascal)
- フローレンス・ヴァッシー:イディナ・メンゼル (Idina Menzel)
- アナトリー・セルゲイフスキー:ジョシュ・グローバン (Josh Groban)
- スヴェトラーナ・セルギエフスカヤ:ケリー・エリス (Kerry Ellis)
- 審判員:マーティ・ペロー (Marti Pellow)
- アレクサンダー・モロコフ:デヴィッド・ベデラ (David Bedella)
- ウォルター・コーシー:クラーク・ピータース (Clarke Peters)
- 公務員:カンタービレ (Cantabile)
曲目
日本版公演
日本では2012年に『Chess in Concert』として、コンサート形式で上演。2013年に一部変更をして再演。2015年に『Chess the Musical』としてミュージカル形式での上演となり、日本初演は2015年の上演にあたる。コンサート形式の初演から、演出・訳詞は荻田浩一が担当。
公演記録(日本版)
- 『Chess in Concert』
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- 2012年1月26日 - 1月29日: 青山劇場
- 2012年2月10日 - 2月12日: 梅田芸術劇場
- 『Chess in Concert 2nd Version』
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- 2013年12月12日 - 12月15日: 東京国際フォーラム ホールC
- 2013年12月20日 - 12月22日: 梅田芸術劇場
- 『Chess the musical』
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- 2015年9月27日 - 10月12日:東京芸術劇場 プレイハウス
- 2015年10月19日 - 10月25日:梅田芸術劇場 シアタードラマシティ
キャスト(日本版)
日英キャスト版
2020年日英キャストで台本を新に一新。2020年1月25日~1月28日 梅田芸術劇場 2020年2月1日~2月9日 東京国際フォーラムホールC
- フレデリック・トランパー:ルーク・ウォルシュ
- フローレンス・ヴァッシー:サマンサ・バークス
- アナトリー・セルギエフスキー:ラミン・カリムルー
- アービター:佐藤隆紀
- スヴェトラーナ:エリアンナ
- モロコフ:増原英也
主な登場人物
脚注
外部リンク
- Chess - インターネット・ブロードウェイ・データベース(英語)
- 2010年チェス公式サイト (英語)
- ミュージカル“チェス”日本初演公式サイト