72の法則(72のほうそく)とは、資産運用において元本が2倍になるような年利と年数とが簡易に求められる法則である。

概要

72の法則は、次式のとおりである。

年利 (%) × 年数 = 72

上式の「年利 (%)」に複利法での年利率を代入すると元本が2倍になるのに必要な年数が求められる。逆に、「年数」に運用年数を代入すると元本が2倍になるのに必要な年利が求められる。上式は年利 (%) が 8% 付近で誤差が最も小さい。

元金 A が2倍になる年利率 r と年数 n は、次式の関係になっている。

2A = A (1 r)n

両辺を A で割ってから両辺の自然対数をとると、

ln 2 = n ln(1 r)

テイラー展開によって ln(1 r) ≈ r と近似できるので、

100 ln 2 ≈ 100r n

72の法則が成り立つのは、2の自然対数が 0.693147... なので 100 ln 2 = 69.3147... ということにある。この値と近い72が、約数が多いという理由で採用されている。

いくつかの年数について計算した結果を右表に示す。

「スムマ」における記述

誰が72の法則を見いだしたかは知られていない。文献上の初出は、イタリアの数学者で、「会計の父」とも呼ばれるルカ・パチョーリが1494年に出版した『スムマ』と呼ばれる数学書である。この書の原題は、Summa de arithmetica, geometria, proportioni et proportionalità であり、日本語では、『算術・幾何・比及び比例全書』などと訳される。 この書に、次の問題が出ている。

英語訳は、次のとおりである。

一部ネット上ではこの法則がアインシュタインによって発見されたとする説が流布されているが、上述のとおり15世紀のイタリアで既に知られていた。

出典

関連項目

  • 2の自然対数#その他の性質 - 数学的議論はこちらを参照のこと。金利が 100% と比べて充分に小さい場合、かけた値は 100 log2 (= 69.31...) に近づく。
  • 倍加時間

外部リンク

  • 松浦利治「「72の法則」の導出 : 複利で元利合計が2倍になる年数の目安を得る演習問題として」『宇部工業高等専門学校研究報告』第57巻、宇部工業高等専門学校、2011年3月、29-31頁、CRID 1050845762540361728、ISSN 03864359。 



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