GRIK1、GluK1もしくはGluR5(glutamate ionotropic receptor kainate type subunit 1)は、ヒトではGRIK1遺伝子にコードされるタンパク質である。
機能
GRIK1遺伝子は、リガンド依存性イオンチャネルとして機能するグルタミン酸受容体のサブユニットの1つをコードする。この遺伝子にコードされるサブユニットは、カイニン酸受容体に属する。受容体の組み立てと細胞内の輸送は、RNA編集と選択的スプライシングによって調節されている。これらの受容体は興奮性神経伝達を媒介し、シナプスの正常な機能に重要である。
相互作用
GRIK1はDLG4、PICK1、SDCBPと相互作用することが示されている。
RNA編集
GluK1をコードするpre-mRNAは、膜貫通領域M2に位置するQ/R部位の1か所が編集される。編集によって、この部位のコドンはグルタミン(Q)をコードするCAGからアルギニン(R)をコードするCGGへ変化する。GluK2と同様、編集の際に二本鎖RNAを形成する相補性配列(Editing Complementary Sequence、ECS)は編集部位から約2000ヌクレオチド下流に位置している。
このRNA編集は受容体のカルシウムイオン透過性に影響を与え、編集によって透過性が低下すると考えられている。またQ/R部位の編集は、アラキドン酸やドコサヘキサエン酸などの膜脂肪酸によるチャネルの阻害にも影響を及ぼす。編集型アイソフォームのみからなるカイニン酸受容体はこれらの脂肪酸によって強力に阻害されるが、未編集型のサブユニットが1つでも組み込まれるとこの阻害は解除される。
出典
関連文献
関連項目
- カイニン酸型グルタミン酸受容体
外部リンク
- GRIK1 protein, human - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス(英語)