上野東宝劇場・上野宝塚劇場(うえのとうほうげきじょう・うえのたからづかげきじょう)は、東京都台東区上野公園に存在した東宝系列の映画館。
概要
1954年12月13日開業。1階に邦画上映の上野東宝劇場(定員684人・2階席あり)、地下1階に洋画上映の上野宝塚劇場(定員522人)の2館を要した。開業当時の上野方面は、戦前の下谷区時代から存在していた上野日活館の他、1951年に新東宝のロードショー館だった上野パーク劇場、大蔵映画直営の上野公楽座(現:上野オークラ劇場)、1952年に公楽座と同じ大蔵映画系列の上野スター座(後の上野スタームービー)、1953年に松竹系の上野松竹映画劇場(後の上野セントラル)が相次いでオープンしており、当館開業から3年後の1957年には東急系列の洋画ロードショー館・上野東急がオープン。ニュース劇場などを含めて13スクリーンの映画館が上野方面に存在していた。
細谷隆広(元アルゴ・ピクチャーズ勤務)は小学1年の頃に、岡本喜八監督の「どぶ鼠作戦」(1962年)を観たことを、『映画芸術』のインタビューで語っている。
有楽町や渋谷と並ぶ東宝系の基幹劇場として長らく親しまれたが、築49年を経て老朽化が進んだこともあり2003年8月31日に惜しまれつつ閉館となった。
1971年6月1日に上野宝塚劇場、東映映画封切館になる。
2005年4月、跡地に上野東宝ビルが新築完成するが映画館は作られず、飲食施設『上野バンブーガーデン』がオープンした。その後2017年11月4日、松坂屋上野店などが入居する上野フロンティアタワー7階 - 10階に『TOHOシネマズ上野』がグランドオープン。14年ぶりに上野方面に東宝系映画館が復活した。
各館の特徴
上野東宝劇場
上野東宝劇場は684席で、主に日劇2系列の東宝邦画を上映していた。最終興行には、アニメ「ポケットモンスター」シリーズの劇場版である、「七夜の願い星ジラーチ」が上映された。
単独上映作品
シリーズ作品
『ゴジラ』シリーズ(『ゴジラ』から『ゴジラ×メカゴジラ』まで、『GODZILLA』も)、『ドラえもん』シリーズ(『のび太の恐竜』から『のび太とふしぎ風使い』まで)、たのきんトリオスーパーヒットシリーズ(全6作)、『刑事物語』シリーズ(全5作)、『 うる星やつら』シリーズ(『オンリー・ユー』、『2 ビューティフル・ドリーマー』、『4 ラム・ザ・フォーエバー』)、『モスラ』(3部作)
上野宝塚劇場
上野宝塚劇場は522席の劇場で、主に日劇1で上映される洋画大作が封切られていたが、ムーブオーバーとして日劇2系列、日比谷スカラ座系列の東宝邦画も封切っていた。一時期は東映系封切館だったこともあった。
単独上映作品
シリーズ作品
『エイリアン』(2から4)、『スター・ウォーズ』(エピソード1、エピソード2)、『インディ・ジョーンズ』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(全3作)
脚注
注釈
出典
外部リンク
- 上野東宝劇場・上野宝塚劇場 - 「港町キネマ通り」(2002年12月取材)