トリパノソーマ症(トリパノソーマしょう、trypanosomiasis)とは鞭毛虫類キネトプラスト門トリパノソーマ属原虫の感染を原因とする疾病の総称。
日本では家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されている(対象は牛、水牛、馬)。なお、日本獣医学会の提言で法令上の名称が「トリパノソーマ病」から「トリパノソーマ症」に変更された。
特徴
クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)感染を原因とするシャーガス病、ブルーストリパノソーマの1亜種であるTrypanosoma brucei gambiense感染を原因とするガンビアトリパノソーマ症(慢性睡眠病)、Trypanosoma brucei rhodesiense感染を原因とするローデシアトリパノソーマ症(急性睡眠病)が代表的な疾患である。いずれも吸血昆虫により媒介される。家畜に認められるトリパノソーマ症のうち,媾疫トリパノソーマ(Trypanosoma equiperdum)による媾疫は媒介者なしで感染する唯一のトリパノソーマ症である。
脚注
参考文献
- 今井壯一ほか編 『最新家畜寄生虫病学』 朝倉書店 2007年 ISBN 978-4-254-46027-8
- 高島郁夫; 熊谷進 編『獣医公衆衛生学』(第3)文永堂出版、2004年。ISBN 4-8300-3198-0。
- 獣医学大辞典編集委員会 編『明解獣医学辞典』チクサン出版、1991年。ISBN 4-88500-610-4。
関連項目
- シャーガス病
- アフリカ睡眠病
- ナガナ病