台湾総督府文教局(たいわんそうとくふぶんきょうきょく)は、台湾総督府に置かれた内部部局。台湾における文教・宗教・社会行政を管掌した。
概要
1895年(明治28年)5月、台湾総督府が設置され、その民政局に学務部が設置された。これが文教局の嚆矢である。1897年(明治30年)11月、学務部が廃止された。
1911年(明治44年)10月、学務部が設置されたが、1919年(大正8年)6月に廃止された。
1926年(大正15年)10月、文教課が独立し文教局が設置され、1945年(昭和20年)10月に台湾総督府が廃止されるまで存続した。
沿革
- 1895年(明治28年)5月 - 台湾総督府民政局に学務部を設置。
- 1896年(明治29年) - 教務課、編纂課を置く。
- 1897年(明治30年)11月 - 学務部が廃止され、民政局に学務課を置く。
- 1898年(明治31年)6月 - 民政局が民政部となる。
- 1901年(明治34年)11月 - 民政部に総務局を設置し、学務課が所属する。
- 1909年(明治42年)10月 - 総務局を内務局に改編し、学務課が所属。
- 1911年(明治44年)10月 - 学務部を設置し、学務課、編修課を置く。
- 1919年(大正8年)
- 6月 - 学務部が廃止され、新に設置した内務局に学務課、編修課を置く。
- 8月 - 民政部を廃止。
- 1924年(大正13年)12月 - 学務課が文教課に名称変更。
- 1926年(大正15年)10月 - 文教課が独立し文教局を設置し、学務課、社会課、編修課を置く。
- 1938年(昭和13年)8月 - 文教局に附属国民精神研修所を設置。
- 1942年(昭和17年) - この年の設置課は、督学室、学務課、編修課、錬成課、社会課の一室四課。
- 1943年(昭和18年) - この年の設置課は、学務課、編修課、錬成課、社会課の四課。
機構
1945年現在。
- 文教局
- 庶務係、教学課、援護課
関連する総督府所属官署として、台北帝国大学、官立学校、図書館、国民精神研修所、台湾神社臨時造営事務局、台湾総督府博物館などが置かれた。
歴代文教局長・学務部長
脚注
参考文献
- 台湾総督府編『台湾統治概要』明治百年史叢書、原書房、1973年(昭和20年刊の複製)。
- 伊藤博文編『秘書類纂』台湾資料、明治百年史叢書、原書房、1970年(秘書類纂刊行会昭和11年刊の複製)。
- 岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』三元社、2008年。
- 秦郁彦編『日本官僚制総合事典:1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
関連項目
- 朝鮮総督府学務局