『オンコール』(On Call)は、2025年1月9日にPrime Videoで公開されたティム・ウォルシュおよびエリオット・ウルフ製作によるアメリカ合衆国のポリスプロシーデュラルの連続ドラマのTVシリーズ。当初はIMDb TVとされていたこのシリーズの8エピソードは2023年4月に正式に発注された。このシリーズは、ディック・ウルフとしては初めての30分形式で製作されたドラマであり、実時間は各話24分となっている。
設定
このシリーズは、ロングビーチ警察署のベテラン訓練警官、トレイシー・ハーモンと、ハーモンの新人パートナーであるアレックス・ディアスが、同僚警官の死による余波を乗り越えながら、カリフォルニア州ロングビーチの路上で緊急通報に応じる様子を追う。
登場人物と配役
メイン
- トレイシー・ハーモン巡査
- トローヤン・ベリサリオ(渡辺明乃)
- アレックス・ディアス巡査
- ブランドン・ララクエンテ(霧生晃司)
リカーリング
- ラスマン巡査部長
- エリク・ラ・サル(平林剛)
- ビショップ警部補
- ロリ・ロックリン(今泉葉子)
- タイソン・コヤマ刑事警部補(コイ)
- リッチ・ティン(小松史法)
- スモーキー
- ロボ・セバスチャン(広瀬彰勇)
ゲスト
- マリア・デルガド巡査
- モニカ・レイマンド
製作
このシリーズは2021年5月にIMDb TV(現在のAmazon Freevee)によって、ディック・ウルフが製作総指揮をつとめ、ディジタル企業のATTN:によってプロデュースされることが発表された。番組の制作はウルフ・エンターテイメントとユニバーサル・テレビジョンが担当となった。このシリーズはディック・ウルフにとって初めてのストリーミング配信番組の受注となった。翌月、ベン・ワトキンスがエリオット・ウルフとともに製作総指揮をつとめつつショーランナーの任につくことが発表された。2023年4月、トローヤン・ベリサリオとブランドン・ララクエンテが主役を務めることが発表された。同月、エピソード1、2、5、6を演出したエリク・ラ・サルがピーター・ジャンコウスキーとともに製作総指揮に加わることが発表された。2024年10月、エリク・ラ・サル、ロリ・ロックリンおよびリッチ・ティンが出演することが発表された。さらに、このシリーズがAmazon Freevee から Amazon Prime Video に移され、各話30分の全8話の発注が行われたことが発表された。
シリーズの制作は、2023年5月に全米脚本家組合のストライキによって中断された。
エピソード
公開
このシリーズは2025年1月9日にAmazon Prime Videoで公開された。
評価
視聴者
シリーズが公開されて一週間足らずで『オンコール』はアメリカ合衆国内で最も視聴されたPrime Videoの番組となった。
批評家の評価
レビュー収集サイトのRotten Tomatoesでは16の批評家によるレビューの56%が肯定的で、平均で5.7/10の評価となった。同サイトでの総評は「『オンコール』は30分という形式のおかげで手軽に楽しめるパトロールだが、その短い上映時間が警察ドラマジャンルにおいて唯一の新しい特徴だ」と記載されている。また、加重平均を採用しているMetacriticでは、8人の批評家によるレビューに基づき、100点満点中48点が付けられ、「賛否両論または平均的なレビュー」とされている。
コミック・ブック・リソーシズにレビューを書いたブリタニー・フレデリックは、この作品がジャンルにありがちな使い古された要素を避けることで独自性を確立しており、短い放送時間が冗長なシーンを排除する助けになっていると評価した。Ready Steady Cut のジョナサン・ウィルソンは、このシリーズを「新しいタイプの警察ドラマで、連続ドラマの要素と手続き型ドラマを融合させたもの。すべてがうまく機能しているわけではないが、全体的には引き締まったスリリングな娯楽作品だ」と評した。
Collider のイザベラ・ソアレスは、ベリサリオとララクエンテのキャラクター同士の化学反応を称賛し、それが「本作の手続きドラマにおけるより人間味あるアプローチの基調を成している」と書いている。一方で、But Why Though の批評家ケイト・サンチェスは、やや賛否の分かれるレビューを執筆し、番組について「カタルシスに欠けているが、複雑さを試みている」と述べている。彼女は、探偵ではなくパトロール警官に焦点を当てることで、観客がより多くの危険を目にすることができると説明する一方で、警察礼賛やギャングの描写を批判した。サンチェスはレビューを締めくくる中で、「この作品はジャンルを再発明するものではないが、その中で十分に力を発揮している」と述べ、エピソード数を増やす方がシリーズにはより適していると考えると付け加えた。
Looper のライダー・アリステアは、『オンコール』のフォーマットを批判し、「全体的なストーリーとエピソードごとの事件が不自然に分断されている」と述べており、また、「継続するストーリーラインのために、放送局の同ジャンル番組のようなエピソード単位の警察ドラマとして楽しむことができず、逆に内容がありきたりでクリシェに依存しすぎていて単独では興味を引けない」と評した。シカゴ・トリビューンに寄稿したニーナ・メッツは、このシリーズについて「警察が不当に非難され、毎日、毎瞬間危険にさらされているという考えを視聴者に売り込むことにあまりに執着しているあまり、まとまりのある、または断片的にでも面白いストーリーを語ることを忘れている」と書いている。さらにメッツは番組の現実性を批判し、その銃撃戦の多さをOK牧場の決闘になぞらえた。
脚注
外部リンク
- オンコール - IMDb(英語)