A24(エートゥエンティフォー)は、2012年8月20日に設立されたアメリカ合衆国のインディペンデント系エンターテインメント企業で、拠点はニューヨークである。映画やテレビ番組の製作、出資、配給を専門としている。

映画業界出身のダニエル・カッツ、デヴィッド・フェンケル、ジョン・ホッジスが映画配給を専門とするA24フィルムズを共同で立ち上げた。A24フィルムズの活動は2013年の『チャールズ・スワン三世の頭ン中』によってまずまずのスタートを切り、同年の終わりにリリースされた『スプリング・ブレイカーズ』により成長を始めた。同社はその後、『ルーム』、『エクス・マキナ』の米配給権および『ウィッチ』の世界配給権獲得で知名度を上げ、より大きく成長した。また、2013年後半にディレクTVシネマ及びAmazonプライムと一部の映画を配給する契約を交わし、2016年には社名を縮めてA24とした。

歴史

2012年 - 2013年:設立当初

A24は2012年8月20日にダニエル・カッツ、デヴィッド・フェンケル、ジョン・ホッジスにより設立された。同社の設立以前、カッツはグッゲンハイム・パートナーズのファイナンス・グループを率いており、またフェンケルはオシロスコープの社長・共同創業者・パートナー、ホッジスはビッグ・ビーチの制作・開発部門の責任者だった。

「A24」という名前は、カッツがイタリア旅行で高速道路アウトストラーダ A24を運転している時に、会社を設立しようと決心したことに由来する。偶然にも、この高速道路はイタリア映画史上において、ネオリアリストやシュールレアリストの巨匠たちの映画に使われた田園風景の舞台としても有名である。

創業資金はグッゲンハイム・パートナーズより提供された。2012年10月、A24は42ウェストの上級広報担当だったニコレット・エイゼンバーグを宣伝責任者として迎えた。

会社は2013年に始まった。初めての劇場公開映画はロマン・コッポラの『チャールズ・スワン三世の頭ン中』であった。2013年には他にサリー・ポッターの『ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界』、ハーモニー・コリンの『スプリング・ブレイカーズ』、ソフィア・コッポラの『ブリングリング』、ジェームズ・ポンソルトの『いま、輝くときに』が公開された。

2013年9月、A24はディレクTVシネマと4000万ドルで同社の映画の配信契約を交わし、『複製された男』が初の対象作品となった。同年、A24はAmazonプライムと契約を交わし、A24の配給映画はDVD及びBlu-rayが発売された後にAmazonプライム・ビデオで視聴可能となった。

2014年 - 2017年:テレビ部門立ち上げ

2015年5月、A24はテレビ部門を立ち上げ、USAネットワークのシリーズ『Playing House』の製作やチャニング・テイタムがプロデュースを務める『刑事★コムラッド ~同志に別れを~(仮題:Iron Fisting)』の企画を始めた。

2016年1月、サシャ・ロイドが入社し、国際市場での映画・テレビ配給と事業開発の指揮を取ることとなった。会社はバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース、サントラスト・バンクスと契約し、信用枠を5000万ドルから1億2500万ドルに引き上げた。4月、A24は映画『スイス・アーミー・マン』の権利をそれまで持っていた企業とパートナー契約を結んで世界配給権を獲得した。6月、A24はオシロスコープと配給会社のホノラプロダクションと共にBitTorrent Nowに加わった。

2017年1月、A24は初の非英語作品となる『Menashe』の米中配給権を獲得した。

2018年 - 2019年:経営陣の変更、Appleとの提携

2018年2月20日、A24は 「The A24 Podcast」 というポッドキャストを開始した。映画業界のゲスト二人による議論が主な内容であり、主なゲストとしてボー・バーナム、ポール・シュレイダー、ソフィア・コッポラ、アリア・ショウカット、マーティン・スコセッシらが参加した。番組では決められたテーマは無く、ゲストの最近の作品に関することや、その他の分野にまで多岐にわたって議論される。初回ゲストはバリー・ジェンキンスとグレタ・ガーウィグで、 2023年10月18日現在、38のエピソードが公開されている。

2018年3月26日、共同創業者のジョン・ホッジスが同社を去ることを発表した。

2018年11月15日、A24とAppleは複数年にわたる提携を結び、A24がAppleのオリジナル映画を作ることを発表した。

2019年11月13日、A24はケーブルテレビ局Showtimeとの間で放送契約を締結し、自社の映画作品を同局にて独占放送すると発表した。なおこの契約において、Appleとの提携による映画作品は放送の対象外となっている。

2020年 - 現在:さらなる提携と事業拡大

2021年7月、A24が25億ドルから30億ドルで自社の売却を検討していることがヴァラエティ誌にて報じられた。

2022年1月、元HBOおよびAmazon MGMスタジオのテレビ部門の幹部であるニック・ホールがA24のテレビ番組を統括することが発表された。4月には、会員制のサブスクリプションサービス「AAA24」(AAAは「A24 All Access」の略)を開始した。このサービスでは会員特典として、オリジナルの会報やバースデーギフトの配送、メンバーズカードおよびピンバッジがもらえる他、オフィシャルグッズの先行購入や会員限定の割引といった優待サービスを受けられるようになっている。

2023年5月、ドイツの独立系映画配給会社Leonine Studiosと提携し、オーストリアとドイツで映画を配給する「A24 | Leonine Studios」という共同レーベルを設立した。翌月には、ウォルト・ディズニー・テレビジョンの元会長ピーター・ライスと共同で海外へ配給する映画作品に出資することが報じられた。

2023年10月31日、日本の総合映像会社ハピネットファントム・スタジオとの間で独占パートナーシップ契約を締結したことを発表した。今後は本スタジオ製作作品の同国内における配給や関連グッズ展開などを同社が独占的に担当するとしている。

2023年12月、これまで提携してきたShowtimeとの放送契約が終了したことを受けて、新たにHBOとの間で放送契約を締結したと発表した。今後はA24で製作された作品をHBOを始め、CinemaxやMaxにて放送並びに配信していくとしている。

2024年1月、A24がユナイテッド・タレント・エージェンシーと契約を結び、同社傘下企業のCivic Center Media(CCM)を通じて脚本および脚本なしのテレビ番組を制作することが発表された。この契約により、CCMはA24を通じてテレビ番組の開発・制作に資金を投入できることとなった。

受賞歴

同社は多くのアカデミー賞ノミネート・受賞を受けている。2016年の第88回アカデミー賞において、『ルーム』が主演女優賞(ブリー・ラーソン)、『AMY エイミー』が長編ドキュメンタリー映画賞、『エクス・マキナ』が視覚効果賞をそれぞれ受賞している。また、2017年の第89回アカデミー賞では『ムーンライト』が作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を獲得した。

2021年、第93回アカデミー賞においては『ミナリ』のユン・ヨジョンが韓国出身の俳優として史上初、アジア人としては1957年の映画『サヨナラ』のナンシー梅木以来、63年ぶり2人目となる助演女優賞を受賞した。

2023年、第95回アカデミー賞において『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞・監督賞(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)・主演(ミシェル・ヨー)および助演女優賞(ジェイミー・リー・カーティス)・助演男優賞(キー・ホイ・クァン)の5部門、『ザ・ホエール』が主演男優賞(ブレンダン・フレイザー)をそれぞれ受賞し、同賞において主要6部門を受賞するというインディペンデント系の映画会社としては初の快挙を成し遂げた。

2024年、第96回アカデミー賞ではイギリス映画『関心領域』が、外国語映画ながらアカデミー作品賞や監督賞(ジョナサン・グレイザー)など5部門にノミネートされ、国際長編映画賞と音響賞を受賞した。

2025年、第97回アカデミー賞においては『ブルータリスト』が主演男優賞(エイドリアン・ブロディ)、撮影賞、作曲賞を受賞した。

フィルモグラフィ

映画作品

公開予定

テレビシリーズ(公開順)

参考文献

外部リンク

  • 公式ウェブサイト
  • A24 - IMDb(英語)

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