ディクラエオサウルス科はディプロドクス上科に属する竜脚下目の恐竜の科で、ディプロドクス科の姉妹群にあたる。ディプロドクス科とともに Flagellicaudata をなす。ディクラエオサウルス科にはアマルガサウルスやスウワッセアおよびディクラエオサウルスそしてブラキトラケロパンといった属が含まれる。標本は北アメリカ大陸と南アメリカ大陸ならびにアフリカ大陸で発見されている。生息期間はジュラ紀前期または中期から白亜紀前期。白亜紀に生息したディクラエオサウルス科は少なく、そのうち最も後の時代のものがアマルガサウルスである。

タンザニアでディクラエオサウルスが発見され、1914年にドイツの古生物学者Werner Janensch がはじめてディクラエオサウルス科を記載した。比較的首が短く体も小型であるため、ディクラエオサウルス科は他の竜脚下目と大きく異なる。

ディクラエオサウルス科は単系統であり、明瞭な13の共有派生形質により系統発生学的に裏付けられている。ディクラエオサウルス科はジュラ紀中期にディプロドクス科から分岐し、これはゴンドワナ大陸が陸で繋がっていた時期におけるディクラエオサウルス科の南アメリカと東アジアでの多様性が根拠となっている。しかし、北アメリカで発見された唯一のディクラエオサウルス科であるスウワッセアの系統学的配置に同意しない古生物学者もおり、基盤的なディクラエオサウルス科とする説やディプロドクス科の一員とする説がある.。ディクラエオサウルス科あるいはディプロドクス科にスウワッセアを位置付けることは、ディクラエオサウルス科の進化に関して重大な生物地理学的な意味を持つ。

分類

ディクラエオサウルス科はディプロドクス上科の一部であり、ディプロドクス科の姉妹群である。この20年ほどでその多様性は倍加した が、スウワッセアの分類について完全には合意が成り立っておらず、スウワッセアをディクラエオサウルス科ではなく基盤的なディプロドクス上科に配置する解析もある。2015年の解析でディスロコサウルスがディクラエオサウルス科の属であることが判明した。2016年のアマルガサウルスの再評価でアマルガサウルスもまたディクラエオサウルス科に分類された。2018年には新属ピルマトゥエイアが記載された。

ディクラエオサウルス科は比較的短い首と小さい体を有し、姉妹群であるディプロドクス科や他の大半の竜脚下目と大きな差異がある。ディクラエオサウルス科は新竜脚類に属する派生的な竜脚類であり、新竜脚類は一般的に巨体により特徴づけられる。比較的小さな体躯により、ディクラエオサウルス科は他の新竜脚類から外れた存在となっている。

系統発生

ディクラエオサウルス科およびその内部の分岐分類学的系統発生には諸説あり、未解決である。スウワッセアは基盤的ディプロドクス上科と基盤的ディクラエオサウルス科の間で位置づけが揺れ動いている。以下は Tschopp により2015年に公開されたクラドグラム。

Tschopp はディスロコサウルスとディストロファエウスをディクラエオサウルス科に含んだが、両者は伝統的にディクラエオサウルス科とみなされていない。ディストロファエウスの標本は遥かに断片的であり、利用可能な骨は尺骨1個、部分的な脊椎、部分的な肩甲骨1個、橈骨の遠位部1個、および複数の中手骨のみである。ディスロコサウルスも四肢の骨という極端に限られた化石証拠しか発見されておらず、Tschopp による系統発生ではディスロコサウルスの配置は「予備的」と考えられている。

2006年のJ・D・ハリス や2007年のポール・セレノ といった研究では、スウワッセアはディクラエオサウルス科に分類されていない。しかし、2006年の Salgado や 2010年の Whitlock といった研究ではスウワッセアはディクラエオサウルス科に含まれている。

Gallina らによる2019年のバジャダサウルス記載論文では、スウワッセアをディクラエオサウルス科に含めたうえでバジャダサウルスとリンウーロンなどの新属を含めたクラドグラムが発表されている。

古生物学

食性

他の竜脚下目の恐竜と同様に、ディクラエオサウルス科は植物食性である。比較的短い首と頭骨の形状から、ディクラエオサウルス科が地面に近い位置か中間の高さで摂食したことが示唆されている。ディクラエオサウルス科の歯列についてはディクラエオサウルス以外のものは良い状態で保存されておらず、このためディプロドクス科の食性とディクラエオサウルス科の食性を比較して論述することは困難である。しかし、ディクラエオサウルスの歯列は上顎と下顎で歯の本数が等しく、そして下顎の歯の生え変わりが上顎より遅いという点で特徴的である。

解剖学

ディクラエオサウルス科は比較的小さい体と短い首および長い神経棘により特徴づけられる。全長は10 - 13メートル。ディクラエオサウルス科には13の共有派生形質があり、側腹腔(pleurocoel)を欠く脊椎、鱗状骨の上で腹側に向いた突起の存在、三角形に近い歯牙交叉などが含まれる。

分布と進化

ディクラエオサウルス科の標本はアフリカ大陸と南アメリカ大陸および北アメリカ大陸の計3大陸から発見されている。北アメリカのスウワッセアを除いてディクラエオサウルス科はゴンドワナ大陸に分布しているため、北米にスウワッセアが生息したことはディクラエオサウルス科の中では特異的であり、スウワッセアの適切な分類が求められている。ディクラエオサウルス科はジュラ紀中期に北アメリカのディプロドクス科から枝分かれし、その後ゴンドワナ大陸へ分散し、南アメリカ大陸と東アメリカで多様性を高めた。アマルガサウルスは白亜紀前期に生息し、ディクラエオサウルス科の中で最も最後まで生存した属である。

属の記載のタイムライン

出典


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