茶屋町(ちゃやちょう)は、かつて岡山県都窪郡にあった町である。1972年(昭和47年)5月1日に倉敷市に編入され廃止された。現在は同市の茶屋町地区となっている。ここでは、町制施行前の名称である江島村(えじまそん)についても述べる。
歴史
行政の変遷
明治になり、1870年(明治3年)11月に早島沖新田村・帯江沖新田村はそれぞれ早島新田村・帯江新田村に改称。また宮崎村(現在の早島町早島の一部)枝村であった宮崎割新田村は宮崎村に併合された。1875年(明治8年)に宮崎村のうちの旧宮崎割新田分が早島新田に併合される。1889年(明治22年)には早島新田・帯江新田両村が合併し、江島村(えしまそん)を新設。名称は両村名から一文字ずつ合わせたものである。そして1896年(明治29年)に町制を施行し、その際に茶屋町(ちゃやちょう)に改称する。その後、1947年(昭和22年)1月に興除村より旧鶴崎村域を茶屋町へ移管。1951年(昭和26年)3月に豊洲村の高須賀の内の旧添新田分(旧帯江領)が、豊洲村の倉敷市編入の絡みで、当地へ移管した。これにより現在の茶屋町の区域が確定した。
1972年(昭和47年)5月1日に倉敷市(新)に編入合併し、同茶屋町支所の管轄下となる。なお、合併後は当地の読み方は「ちゃやまち」に変更された。
年表
- 1704年(宝永元年)- 早島戸川氏の戸川安貞が早島沖新田、帯江戸川氏の戸川安広が帯江沖新田をそれぞれ開発に着手する(1707年完成)。
- 1731年(享保16年)- 綿花やい草の栽培、畳表や小倉織の生産が始まる。
- 1850年(嘉永3年)- 東高梁川の安江・四十瀬の土手が決壊、大洪水が起きる。
- 1870年(明治2年)- 早島新田村、帯江新田村になる。
- 1878年(明治11年)- 磯崎眠亀が錦莞莚を発明。
- 1889年(明治22年)6月1日 - 町村制が施行され早島新田村と帯江新田村が合併し、両村よりそれぞれ一字を取って江島村になる。
- 1890年(明治23年)- 桜橋付近に芝居小屋「栄座」ができる(後に映画館になり、昭和30年閉館)。
- 1896年(明治29年)2月26日 - 江島村が町制施行し、都宇郡茶屋町へ移行。
- 1900年(明治33年)4月1日 - 都宇郡が窪屋郡と合併し、都窪郡となる。
- 1910年(明治43年)6月12日 - 宇野線茶屋町駅開業。
- 1913年(大正2年)11月11日 - 下津井軽便鉄道が茶屋町駅に乗り入れる。
- 1931年(昭和6年)- 倉敷を結ぶ県道(倉敷飽浦線)が開通し、茶屋町橋が架けられる。
- 1947年(昭和22年)10月18日 - 児島郡興除村大字西疇のうち字鶴崎の区域を当町に編入。
- 1951年(昭和26年)3月 - 都窪郡豊洲村大字高須賀のうち汐入川以東の添新田の区域を当町に編入。
- 1972年(昭和47年)
- 4月1日 - 下津井電鉄線のうち茶屋町 - 児島間が廃止。
- 5月1日 - 茶屋町が倉敷市に編入合併される。
- 1973年(昭和48年)5月 - 現在の茶屋町支所が竣工。旧町役場は解体される。
- 1988年(昭和63年)3月20日 - 本四備讃線茶屋町〜児島間開業。
- 2006年(平成18年)- 干拓300周年記念行事が行われ、駅前の広場に記念碑が建てられる。茶屋町商工会が早島・庄と合併し「つくぼ商工会」になる。
- 2007年(平成19年)3月5日 - 郵便番号が709-11xxから710-11xxに変更される。
行政
歴代首長
町議会議長・副議長
昭和22年4月の地方自治法施行以降の茶屋町町議会議長を記す。
- 議長
- 副議長
脚注
注釈
出典
参考文献
- 茶屋町 編『茶屋町史』茶屋町役場、茶屋町、1964年3月31日。doi:10.11501/3008680。 NCID BN08812694。OCLC 672821543。
- 岡山県総務部統計課 編『岡山県市町村勢要覧』 昭和45年刊、岡山県統計協会、岡山、1971年9月15日。doi:10.11501/9528442。 NCID BA43334715。OCLC 703790315。
- 山陽新聞社 編『山陽年鑑』 昭和47年版、山陽新聞社、岡山、1971年10月1日。doi:10.11501/9572433。 NCID AN10211724。OCLC 703818864。
- 下中直也 編『日本歴史地名体系』 第34巻《岡山県の地名》、平凡社、東京、1988年4月1日。doi:10.11501/12194024。ISBN 4-582-49034-4。 NCID BN02054709。OCLC 18637084。
- 改訂版茶屋町史刊行委員会 編『茶屋町史』 改訂版、改訂版茶屋町史刊行委員会、倉敷、1989年12月。doi:10.11501/13229424。 NCID BN10783806。OCLC 673586263。
- 茶屋町干拓300年記念事業実行委員会 編『茶屋町干拓三百年:茶屋町干拓300年記念誌』茶屋町干拓300年記念事業実行委員会、倉敷、2006年12月。
関連項目
- 岡山県の廃止市町村一覧
- 茶屋町地区