スペースX Crew-2はクルードラゴン宇宙機の2回目の実運用飛行であり、商業乗員輸送計画の3回目の全体的な有人軌道飛行である。このミッションは2021年4月23日の09:49:02 UTCに打ち上げられ、4月24日09:08 UTCに国際宇宙ステーションにドッキングした。
スペースX Crew-2はCrew Dragon Demo-2と同じカプセル(クルードラゴン・エンデバー)を使用し、スペースX Crew-1と同じファルコン9ブースター(B1061.1)を使用して打ち上げられた。
クルー
2020年7月28日、JAXA、ESAおよびNASAは、このミッションで搭乗する宇宙飛行士の割り当てを承認した。
正クルー
ドイツ人宇宙飛行士マティアス・マウラーがペスケのバックアップであり、日本人宇宙飛行士古川聡が星出のバックアップとして訓練を受けた。
バックアップクルー
ミッション
商業乗員輸送計画の2回目のスペースXの実運用ミッションは2021年4月23日に打ち上げられた。クルードラゴン「エンデバー」(C206)はハーモニーモジュールの前方側ポートの国際ドッキングアダプタ(IDA)にドッキングしたこのミッションは、宇宙飛行士が使用済みのブースターロケットに搭乗した最初のミッションである。
メーガン・マッカーサーの初めてのISSへの訪問だったとは言え、全てのクルーはベテラン宇宙飛行士である(マッカーサーの最初の宇宙飛行はハッブル宇宙望遠鏡へのミッション、STS-125だった)。他の3人の乗組員とともに、メーガン・マッカーサーはこのミッションで夫のボブ・ベンケンがDemo-2ミッションで使用したのと同じスペースXクルードラゴン「エンデバー」の座席を使用している。星出彰彦はISS滞在中は2人目のISSコマンダーを努めることになる。これはトマ・ペスケが国際宇宙ステーションに向かう2回目のミッションであり、星や星座にちなんで宇宙ミッションに名前を付けると言うフランスの伝統に従って、地球に最も近い恒星系であるケンタウルス座アルファ星にちなんでアルファと呼ばれることになる。
スターライナーの打ち上げ準備のために、ISSのハーモニー前方側ポートにドッキングしていたクルードラゴン・エンデバーは2021年7月21日10:45 UTCにドッキングを解除し、11:36 UTCにハーモニーの天頂側ポートに再ドッキングした。
9月16日から18日(UTC)にかけて、CRS-23(C208)およびインスピレーション4(レジリエンス)とともに、3機のドラゴン宇宙機が同じ期間に宇宙空間に滞在した。
時系列
ウェイクアップ・コール
NASAはジェミニ計画当時に宇宙飛行士に向けて音楽をかけると言う伝統を開始し、アポロ15号で初めて飛行中のクルーの目覚ましに音楽を使い始めた。それぞれの楽曲は、しばし宇宙飛行士の家族によって念入りに選ばれ、クルーのそれぞれにとって特別な意味のあるものであったり、日々の活動に適切なものだったりしている。
帰還
天候の影響と、Crew-3乗組員1名の軽微な健康問題によるCrew-3の打ち上げ遅延の結果、NASAはCrew-3打ち上げの前にCrew-2の乗員の帰還を検討したが、これは宇宙ステーション乗組員の初めてのクルードラゴンでの間接的な引き継ぎとなる。その後、NASAはCrew-2の宇宙飛行士を、Crew-3の打ち上げ前にISSから帰還させることを決定した。クルードラゴンは2021年11月8日19:05 UTCにステーションとのドッキングを解除し、当初予定の大西洋ではなく、メキシコ湾に11月9日03:33 UTCに着水した。
なお、イプシロンロケット5号機は日本時間2021年11月9日9時51分に打ち上げを予定していたが、Crew-2の帰還に影響がないよう4分後の9時55分に変更された後、打ち上げられた。
関連項目
- クルードラゴン・エンデバー
- CST-100ボーイング・スターライナー