『ハーヴェイ』(Harvey)は1950年のアメリカ合衆国のコメディ映画。 監督はヘンリー・コスター、出演はジェームズ・ステュアートとジョセフィン・ハルなど。 原作は1944年にブロードウェイで初上演されたメアリー・チェイスによる同名戯曲であり、チェイス自ら脚色に加わっている。 なお、原作戯曲は1945年のピューリッツァー賞(戯曲部門)を受賞している。
主人公の姉を演じたジョセフィン・ハルは、原作戯曲の初演時に同じ役を演じており、その映画化作品である本作でアカデミー助演女優賞を受賞している。
同原作の映像化作品は複数あり、その中にはテレビ映画『ハーヴィ/裸のウサギを持つ男』(1996年)がある。
また本作はのちにカルト映画として扱われるようになり、多くの映画がオマージュを捧げている。
ストーリー
米国中西部にあるグレンドーラという小さな町の名門ダウド家の当主エルウッドは、ハーヴェイという大きなウサギと親友であるという幻想を抱いており、同居する姉のヴィタや彼女の娘マートル・メイを困らせていた。
ある日、ヴィタは娘の婿探しという名目でパーティーを開くも、行きつけの酒場から帰ってきたエルウッドがハーヴェイを紹介しだしたため、パーティーはお開きになってしまう。 困り果てたヴィタは弟を精神病院・チャムリー療養所に入れようとするも、この療養所のスタッフであるサンダーソン医師がヴィタを患者と間違えてしまった上、エルウッドと意気投合してしまう。 その後、療養所の院長であるチャムリー医師はエルウッドが出て行ったのを見て、間違いに気づいてヴィタを退院させる。 一方、療養所を後にしたエルウッドは酒場でサンダーソン医師と看護師のミス・ケリーの仲立ちをしたところで、ウィルソンという別の看護師に見つかってしまい、病院へ連れ戻される。
登場人物
- エルウッド・P・ダウド
- 名門ダウド家当主。42歳。
- なお、アルコール使用障害であることが示唆されているものの、飲酒するのは一場面のみである。
- ヴィタ・ルイーズ・シモンズ
- エルウッドの歳の離れた姉。エルウッドと同居。
- ミス・ケリー
- 看護婦。
- サンダーソン医師
- 精神病院「チャムリー療養所」の若い医師。
- チャムリー医師
- チャムリー療養所の院長。
- マートル・メイ・シモンズ
- ヴィタの娘。
- マーヴィン・ウィルソン
- 粗暴な看護士。
- ギャフニー弁護士
- ヴィタの顧問弁護士。
キャスト
- テレビ版:初回放送1973年9月7日 NETテレビ
トリビア
ジョセフィン・ハルとジェシー・ホワイトは、原作戯曲のブロードウェイでの初演にも出演しており、更にホワイトは1972年のテレビ版にも出演している。
他作品への引用・言及
映画業界を題材とした日本の小説『スタッフロール』(著:深緑野分、2022年刊行)では、本作に関する言及がある。
出典
関連項目
- プーカ
外部リンク
- ウィキメディア・コモンズには、ハーヴェイ (映画)に関するカテゴリがあります。
- ハーヴェイ - allcinema
- ハーヴェイ - KINENOTE
- Harvey - オールムービー(英語)
- Harvey - IMDb(英語)
- Harvey - TCM Movie Database(英語)
- Harvey - Rotten Tomatoes(英語)