エブリイ ランディ(EVERY Landy)とは、1999年(平成11年)から2005年(平成17年)までスズキが生産していたミニバンタイプの乗用車である。当初はエブリイ (エブリイ プラス、EVERY )と称していた。
概要
当初は同社のワゴンR に揃えた「エブリイ 」というネーミングであったが、2001年(平成14年)のマイナーチェンジで「エブリイランディ」に改名された。
同社のセミキャブオーバー型の軽ワゴンであるエブリイをベースとし、前面衝突安全基準にも適合させるため、フロントエンド(ボンネット)の延長、1,300ccエンジンの採用、サードシートの追加などで7人乗り(1列目2人 2列目2人 3列目3人)の小型車(登録車)へと仕立て直したものである。ベースのエブリイはマツダにスクラムとしてOEM供給されているが、マツダ側に姉妹車は設定されなかった。 ちなみに当該モデルはインド市場において「イーコ(EECO)」として2010年より現地生産・販売されており(ただし、ボディサイズがホイールベースを除き若干異なる他、搭載されるエンジンが1,200ccとなる等の差異がある)、2022年11月にマイナーチェンジ版が登場している。
歴史
- 1999年(平成11年)
- 6月17日 - エブリイ (プラス)という車名で発表・発売 。
- 12月3日 - 特別仕様車「リミテッド」発表。テレビ付カセットステレオ(オプション設定のカーナビとの接続も可能なもの)や、後席の乗り降りを助ける大型乗降グリップ、大型サイドステップを装備した。リヤドアにもパワーウィンドウを設定し、小物などを収納できるオーバーヘッドボックスを設定。エクステリアは、フロントグリルやバックドアハンドルカバーをメッキ塗装し、インテリアは、インサイドドアハンドルやパーキングブレーキレバーノブ、オートマセレクターボタンをメッキ塗装し、インパネ周辺をメタリック調に、メーターパネルを銀色に塗装し質感を向上した。
- 2000年(平成12年)
- 5月17日 - 一部改良。フロントフォグランプとリヤコンビネーションランプに、外光を反射させるマルチリフレクター式を採用。リアドアのスライドレールとバックドアに、メッキタイプのアクセントを施したり、シート表皮を変更する事で、質感を向上させた。また、3列目シートの形状を変更するとともにヘッドレストを装着した。ほかにも、特別仕様車「リミテッド」に装備された大型乗降グリップや、シートベルトの高さが調節可能なショルダーアジャスターを運転席と助手席に標準装備し、安全性を向上させた。
- 11月15日 - 特別仕様車「リミテッド II」を発表。フロントの専用メッキグリルや、特別設定のボディカラーを設定して、精悍なエクステリアを実現。また、CD・MD付カセットステレオ、ツインエアコン(リアエアコン)を装備し、快適性を向上させた。ほかにも、ブルー基調の爽やかなカラーの専用ドアトリム/ファブリックシート表皮/インパネガーニッシュカラー、電動ステップを特別装備した。
- 2001年(平成13年)
- 5月24日 - マイナーチェンジ。車名をエブリイランディに改めた。ミニバンクラス初のインパネシフトを採用することで、室内の広々感と使いやすさを一層向上させた。乗降に役立つ電動オートステップや2列目シートに取り付けた折畳み式テーブルなど、快適装備を充実させた。また、新デザインのフロントメッキグリルや大型バンパー、サイドアンダースポイラーを装備することで、質感の高いエクステリアを実現させた。さらに、国土交通省の低排出ガス車認定制度において、「平成12年基準排出ガス50%低減レベル「優-低排出ガス」認定」を取得。環境性にも配慮した。
- 2005年(平成17年)
- 7月 - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
- 8月 - エブリイのモデルチェンジとともに販売終了。
脚注
関連項目
- スズキ・エブリイ - ベース車
- マツダ・スクラム - 上記のマツダ向けOEM
- スズキ・ランディ - 後継車種。3代目までは日産・セレナのOEMだったが、4代目でトヨタ・ノアのOEMへ切り替わった。
- スズキ・APV - エブリイランディより一回り大きな海外向けMPV/商用車
- ダイハツ・アトレー7 / トヨタ・スパーキー - 当時の競合車種
- 三菱・タウンボックスワイド - 同上
- スズキ・イーコ - インド市場車