エッセンシャルクオリティ(英:Essential Quality)は、アメリカ合衆国で生産、調教されていた競走馬である。2020年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬、2021年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出された。 主な勝ち鞍は2020年ブリーダーズフューチュリティステークス、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル、2021年ベルモントステークス、ブルーグラスステークス、ジムダンディステークス、トラヴァーズステークス。
戦績
2020年9月5日チャーチルダウンズ競馬場ダート6ハロンの未勝利戦デビューし直線馬群に包まれる不利を受けながら後続馬に4馬身差をつけ初勝利を収める。2戦目はG1競走初挑戦となるブリーダーズフューチュリティステークスに出走。2番手追走から3コーナー過ぎで先頭に立つと、直線でも後続を引き離してG1初制覇を飾る。11月7日のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでは道中中団追走から鋭く脚を伸ばすと、直線でいったん先頭に立った最低人気のホットロッドチャーリーを差し切りG1競走2連勝を果たした。翌年1月、エッセンシャルクオリティは同年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬部門の選考において231票を獲得、2歳王者の座に輝いた。
明けて3歳になった復帰戦のG3サウスウエストステークスは折からの天候不良による延期に加え不良馬場になったが完勝、次いでG2ブルーグラスステークスも快勝して5戦5勝とした。本番であるケンタッキーダービーでは単勝オッズ3.9倍の1番人気に支持されて出走したが、スタート直後に2番人気のロックユアワールドにぶつけられ位置取りに手間取り、大きくコーナーを回ることを余儀なくされ、結果接戦の末に4着に敗れた。ところが1着のメディーナスピリットから禁止薬物が検出、失格になったため3着に繰り上がった。
その後、エッセンシャルクオリティはプリークネスステークスを回避、6月5日のベルモントステークスに照準を定めた。同年のベルモントステークスは8頭立てで行われ、エッセンシャルクオリティはプリークネスステークス勝ち馬のロンバウアーなどを差し置いて1番人気2.3倍に支持された。スタートが切られると飛び出したのはホットロッドチャーリーで、それにロックユアワールドとフランスゴデイナが追走、エッセンシャルクオリティは5番手につけていた。レース史上でも最速のペースでホットロッドチャーリーが飛ばす中、エッセンシャルクオリティは第3コーナーで同馬を外から捉えて先頭に立つと、ホットロッドチャーリーの側も負けじと食い下がり、2頭の一騎討ちのまま決勝線に飛び込み、結果エッセンシャルクオリティが1馬身1/4差で勝利を手にした。2頭から約11馬身離された3着にはロンバウアーが入っている。
ベルモントステークス後のエッセンシャルクオリティの大目標は真夏のダービーとして有名なトラヴァーズステークスであり、その前哨戦にG2ジムダンディステークスが選ばれた。5頭立ての少頭数だったがレースではひたすら外を回り続け、最終コーナーでもケンタッキーダービーの時のように大きくコーナーを回すことになったが最後は内から抜けた馬に半馬身つけて快勝した。本番のトラヴァーズステークスでは2番手追走から最後の直線で逃げ粘るミッドナイトバーボンとの競り合いをクビ差で制しG1レース4勝目をマークした。
2か月の休養後、11月6日のブリーダーズカップ・クラシックでは1番人気に推されるもニックスゴーの3着に敗れた。このレースを最後に現役を引退、2022年よりジョナベルファームで種牡馬入りする。
競走成績
- 馬場状態:Fs=Fast, Sl=Sloppy
血統表
父タピットは全米首位種牡馬3回の種牡馬で、祖母コントライヴの産駒にブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬フォークロアがおり、近親に日本の三冠馬コントレイルやアメリカの二冠馬スマーティージョーンズ、BCジュヴェナイルなどGI4勝を挙げたフォルテがいる。
脚注
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post