母が教えてくれた歌 (ははがおしえてくれたうた、英語: Songs my Mother taught me) は、チャールズ・アイヴズが作曲した歌曲。歌詞は、有名なドヴォルザークの同名の歌曲『母が教えてくれた歌』と同じだが、それをナタリー・マクファーレンが英訳したものを用いている。
概要
1895年にピアノ伴奏用の歌曲としてアイヴズが作曲した。1922年にアイヴズは自身の歌曲をまとめて私家版として『114の歌』を出版したが、その中の108番が『母が教えてくれた歌』である。1903年頃には、作曲者自身の手で室内楽曲に編曲されている。
曲の構成
変形有節歌曲形式。変ホ長調、4分の3拍子、ラルゴ。
アイヴズというと、不協和音、トーン・クラスター、無調・複調、ポリ・リズム、互いに無関係な音楽要素の多層的・同時的構造、ポピュラー・ソングやアメリカ民謡の引用というイメージを抱きがちだが、アイヴズの初期の作品であるため、この『母が教えてくれた歌』はいたって普通の歌である。ドヴォルザークの『母が教えてくれた歌』と異なり、ロマンティックでノスタルジックな曲調が最後まで続く。全ての歌詞を歌い終わったあと、最初に戻って初めの2行だけが再度歌われて静かに終わる。
歌詞
ドヴォルザークの同名の歌曲『母が教えてくれた歌』(『ジプシー歌曲集』第4曲) と同じく、チェコの作家で詩人のアドルフ・ハイドゥークが原詩だが、ナタリー・マクファーレン (Natalie Macfarren, 1826 - 1916) による英訳を用いている。
作曲時期
1895年に書かれた。
編曲
1903年ころになって、アイヴズ自身がこの曲をもとに室内楽作品に編曲している。ただし、タイトルは『錯乱の古き歌』(英語: An Old Song Deranged) に変えられている。
脚注
注
出典
参考文献
- Romanzo di Central Park : Songs by Charles Ives, ハイペリオン CDA 67644、ジェラルド・フィンリー (バリトン), ジュリウス・ドレイク (ピアノ)、ライナーノーツ
- Charles Ives, 114 Songs, privately published by C.Ives himself in 1922
外部リンク
- "チャールズ・アイヴズ『114の歌』の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト