第74回カンヌ国際映画祭(だい74かいカンヌこくさいえいがさい、2021 Cannes Film Festival)は、2021年7月6日から12日間に渡って開催された。アメリカの映画監督スパイク・リーが審査委員長を務めた。
当初は2021年5月11日から22日に開催を予定していたが、7月に開催を延期した。
概要
パルム・ドールはジュリア・デュクルノー監督の『TITANE/チタン』が受賞した。デュクルノー監督は女性監督としては1993年のジェーン・カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』以来2人目の受賞となったが、その当時はチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』との共同受賞となったため、今回は初の女性監督の単独での受賞となった。
また、日本からはコンペティションに濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』、フランス・ドイツ・ベルギー・メキシコとの合作『アネット』、ある視点にフランス・ドイツ・ベルギー・イタリアとの合作『ONODA 一万夜を越えて』、カンヌ・プルミエールに細田守監督の『竜とそばかすの姫』、シネフォンダシオン部門に武蔵野美術大学から黄夢璐監督の『およげるネコ』、カンヌ・クラシックスから修復作品として『夜叉ヶ池』と『月は上りぬ』、ドキュメンタリー作品としてフランスとの合作『Satoshi Kon, l'illusioniste』、監督週間にフランスとの合作による短編作品『不安な体』がそれぞれ出品され、『ドライブ・マイ・カー』が脚本賞、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞、『アネット』が監督賞を受賞した。
注釈
公式選出
コンペティション
パルム・ドールを競うメインコンペティションの上映作品のラインナップは2021年6月3日に発表された。
ある視点
「ある視点」部門の上映作品は2021年6月3日に発表された。
コンペティション外
コンペティション外では以下の作品が上映された。
- ミッドナイト・スクリーニング
カンヌ・プルミエール
今年新設された部門であり、これまでの作品が高く評価されている監督達の注目すべき新作を集めた部門である。カンヌ・プルミエールでは以下の作品が上映された。
スペシャル・スクリーニング
環境映画
短編映画
シネフォンダシオン
カンヌ・クラシックス
カンヌ・クラシックスでは以下の作品が上映された。
修復作品
- 修復作品
- トリビュート
- ビル・デュークへのトリビュート
- オスカー・ミショーへのトリビュート
- ロッセリーニと「カイエ・デュ・シネマ」について
- 第12回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品
- ラ・フィルム・ファンデーション
- ワールド・シネマ・プロジェクト
シネマ・デ・ラ・プラージュ
独立選出
国際批評家週間
監督週間
審査員
コンペティション
- スパイク・リー( アメリカ合衆国/映画監督・脚本家・俳優・プロデューサー)審査員長
- マティ・ディオプ( セネガル/女優・脚本家・映画監督)
- ミレーヌ・ファルメール( フランス/歌手・作詞家・女優)
- マギー・ジレンホール( アメリカ合衆国/女優・映画監督・プロデューサー)
- ジェシカ・ハウスナー( オーストリア/映画監督・脚本家)
- メラニー・ロラン( フランス/女優・映画監督)
- クレベール・メンドンサ・フィリオ( ブラジル/映画監督・脚本家・サウンドエンジニア・映画プログラマー・評論家)
- タハール・ラヒム( フランス/俳優)
- ソン・ガンホ( 韓国/俳優)
ある視点
- アンドレア・アーノルド( イギリス/映画監督・脚本家)審査員長
- ダニエル・バーマン( アルゼンチン/映画監督・プロデューサー・脚本家)
- マイケル・アンジェロ・コヴィーノ( アメリカ合衆国/映画監督・プロデューサー・俳優)
- ムニア・メドゥール( アルジェリア/映画監督・脚本家・プロデューサー)
- エルザ・ジルベルスタイン( フランス/女優)
カメラ・ドール
- メラニー・ティエリー( フランス/女優)審査員長
- オードリー・アビブン( フランス/トライトラック(ポスト・シンクロナイゼーション社)取締役)
- エリック・カラバカ( フランス/俳優・監督)
- ロマン・コギトーレ( フランス/映画監督・脚本家・写真家)
- ローラン・ダイヤン( フランス/撮影監督)
- ピエール=シモン・グットマン( フランス/評論家・L'Avant-scène Cinéma副編集長)
シネフォンダシオン及び短編映画
- サメハ・アラア( エジプト/映画監督・プロデューサー・脚本家)審査員長
- カウテール・ベン・ハニア( チュニジア/映画監督・脚本家)
- カルロス・ムギロ( スペイン/映像作家・学者)
- ツヴァ・ノヴォトニー( スウェーデン/映画監督・脚本家・女優)
- ニコラス・パリサー( フランス/映画監督・脚本家)
- アリス・ウィノクール( フランス/映画監督・脚本家)
国際批評家週間
- クリスティアン・ムンジウ( ルーマニア/映画監督・脚本家)審査員長
- ディダール・ドメヒリ( フランス/映画プロデューサー)
- カメリア・ジョルダナ( フランス/女優・作家・作曲家・パフォーマー)
- ミシェル・メルクト( スイス/映画プロデューサー)
- カレル・オッシュ( チェコ/カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭芸術監督)
ルイユ・ドール
- エズラ・エデルマン( アメリカ合衆国/映画監督)審査員長
- ジュリー・ベルトゥチェリ( フランス/映画監督)
- アイリス・ブレイ( フランス/ジャーナリスト・作家・評論家)
- デボラ・フランソワ( ベルギー/女優)
- オルワ・ニーラビーア( シリア/映画監督・プロデューサー・アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 芸術監督)
クィア・パルム
- ニコラス・モーリー( フランス/俳優・映画監督)審査員長
- ジョザ・アンジェンベ( フランス/映画監督)
- ロキサーヌ・メスキダ( フランス/女優)
- ヴァラム・ミュラティアン( フランス/芸術家・グラフィックデザイナー)
- アロイーズ・ソバージュ( フランス/女優・歌手)
受賞作品
公式選出
- コンペティション
- パルム・ドール - 『TITANE/チタン』(ジュリア・デュクルノー監督)
- グランプリ
- 『英雄の証明』(アスガル・ファルハーディー監督)
- 『Hytti nro 6』(ユホ・クオスマネン監督)
- 監督賞 - レオス・カラックス(『アネット』)
- 脚本賞 - 濱口竜介、大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』)
- 女優賞 - レナーテ・レインスヴェ(『わたしは最悪。』)
- 男優賞 - ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『ニトラム/NITRAM』)
- 審査員賞
- 『הַבֶּרֶךְ』(ナダヴ・ラピド監督)
- 『MEMORIA メモリア』(アピチャートポン・ウィーラセータクン監督)
- ある視点
- ある視点賞 - 『Разжимая кулаки』(キラ・コヴァレンコ監督)
- ある視点審査員賞 - 『Große Freiheit』(Sebastian Meise監督)
- ある視点アンサンブル演技賞 - 『Bonne mère』 (アフシア・エルジ監督)
- ある視点勇気賞 - 『母の聖戦』 (テオドラ・アナ・ミハイ監督)
- ある視点オリジナリティ賞 - 『Dýrið』 (ヴァルデマール・ヨハンソン監督)
- ある視点審特別賞 - 『Noche de fuego』 (タチアナ・ウエソ監督)
- ゴールデン・シネマ
- カメラ・ドール - アントネータ・アラマット・クシヤノヴィッチ (『Murina』)
- 短編映画
- 短編映画パルム・ドール - 『All the Crows in the World』 (Tang Yi監督)
- 短編映画特別賞 - 『August Sky』 (Jasmin Tenucci監督)
- シネフォンダシオン
- 第1位 – 『The Salamander Child』
- 第2位 – 『Cicada』
- 第3位
- 『Love Stories on the Move』
- 『Cantareira』
独立選出
- 国際批評家週間
- ネスプレッソ大賞 - 『Feathers』(オマー・エル・ゾーヘアリー監督)
- ライカ・シネディスカヴァリー短編映画賞 – 『Lili Alone』(Zou Jing監督)
- ルイスローデラー財団ライジングスター賞 – サンドラ・メリッサ・トーレス 『Amparo』
- 監督週間
- ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞 – 『A Chiara』(ジョナス・カルピニャーノ監督)
- SACD賞 - 『Magnetic Beats』(ヴァンサン・マエール・カルドナ監督)
独立賞
- 国際映画批評家連盟賞
- コンペティション – 『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)
- ある視点 – 『Un monde』(ローラ・ワンデル監督)
- 独立選出 - 『Feathers』(オマー・エル・ゾーヘアリー監督)
- エキュメニカル審査員
- エキュメニカル審査員賞 – 『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)
- エキュメニカル特別賞 – 『Hytti nro 6』(ユホ・クオスマネン監督)
- ルイユ・ドール
- ルイユ・ドール - 『A Night of Knowing Nothing』(パヤル・カパディア監督)
- クィア・パルム
- クィア・パルム賞 – 『分裂』(カトリーヌ・コルシニ監督)
- パルム・ドッグ
- パルム・ドッグ賞 – ロージー、ドーラ、スノーベア (『The Souvenir Part II』)
- フランソワ・シャレ賞
- フランソワ・シャレ賞 - 『英雄の証明』(アスガル・ファルハーディー監督)
- 特別賞 - 『Freda』(Gessica Généus監督)
- カンヌ・サウンドトラック賞
- カンヌ・サウンドトラック賞
- ロン・メイル、ラッセル・メイル(『アネット』)
- ローン(『パリ13区』)
特別賞
- トロフィー・ショパール – ジェシー・バックリー、キングズリー・ベン=アディル
- キャロッス・ドール – フレデリック・ワイズマン
- 名誉パルム・ドール - ジョディ・フォスター、マルコ・ベロッキオ
脚注
外部リンク
- 公式ウェブサイト(フランス語)