デビッド・ジョン・ルメイユ(David John LeMahieu, 1988年7月13日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州トゥーレアリ郡バイセイリア出身のプロ野球選手(内野手)。右投右打。MLBのニューヨーク・ヤンキース所属。
経歴
プロ入り前
2007年のMLBドラフト41巡目(全体1241位)でデトロイト・タイガースから指名されたが、契約には至らなかった。ルイジアナ州立大学に入学後は、大学野球で2年間プレーし、大学アメリカ代表に選ばれるなど活躍した。
プロ入りとカブス時代
2009年のMLBドラフト2巡目(全体79位)でシカゴ・カブスから指名され、7月19日に契約。契約後、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・カブスで3試合に出場後、7月28日にA級ピオリア・チーフスへ昇格。38試合に出場して打率.316、30打点、2盗塁を記録した。
2010年はA 級デイトナ・カブスでプレーし、135試合に出場して打率.314、2本塁打、73打点、15盗塁を記録した。8月31日にはフロリダ・ステートリーグのポストシーズン・オールスターチームに選出された。
2011年はAA級テネシー・スモーキーズで開幕を迎え、50試合に出場。打率.358、2本塁打、27打点、4盗塁と結果を残し、5月30日にジェフ・ベイカーが離脱したため、代役としてカブスとメジャー契約を結んだ。同日のヒューストン・アストロズ戦でメジャーデビュー。8回裏無死一塁の場面で、ジョン・グラボウの代打として出場したが、遊撃への併殺打となった。23試合に出場したが、6月28日にAAA級アイオワ・カブスへ降格。AAA級アイオワでは58試合に出場し、登録枠が拡大された9月6日にメジャーへ再昇格した。この年メジャーでは37試合に出場して打率.250、4打点を記録した。
ロッキーズ時代
2011年12月8日にイアン・スチュワート、ケイシー・ウェザーズとのトレードで、タイラー・コルビンと共にコロラド・ロッキーズへ移籍した。
2012年3月3日にロッキーズと1年契約に合意。3月18日に傘下のAAA級コロラドスプリングス・スカイソックスへ配属され、開幕を迎えた。5月23日にジョナサン・ヘレーラが故障者リスト入りしたためメジャーへ昇格。6月からは二塁手として先発起用されていたが、打率.229と結果を残せず、6月10日から再び守備要員へ戻った。6月22日にヘレーラが復帰したため、AAA級コロラドスプリングスへ降格した。7月17日にヘレーラとクリス・ネルソンが故障者リスト入りしたため、再びメジャーへ昇格。昇格後は主に二塁手として先発起用された。この年は81試合に出場して打率.297、2本塁打、22打点、1盗塁を記録した。
2013年3月5日にロッキーズと1年契約に合意。3月27日にAAA級コロラドスプリングスへ配属され、開幕を迎えた。開幕後はAAA級コロラドスプリングスで61試合に出場。打率.314、1本塁打、31打点、13盗塁と好成績を記録し、5月16日にメジャーへ昇格。この年は109試合に出場して打率.280、2本塁打、28打点、18盗塁を記録した。
2014年3月9日にロッキーズと1年契約に合意し、自身初の開幕ロースター入りを果たした。この年は、正二塁手としてプレーし、打撃では初めて規定打席に到達した。オフに初めて二塁手でのゴールドグラブ賞を受賞した。
2015年は打撃面でも好調で、4月の打率は.406だった。7月にはオールスターにも初選出されている。7月にも打率.400を記録するなどと好調を維持し、シーズン打率が3割を下回ることがほとんどなく、最終的にリーグ10位の打率.301を残した。
2016年は2年連続3割の打率.348を記録し自身初のタイトルとなる首位打者を獲得し、出塁率もリーグ2位の.416を記録した。終盤に首位打者争いしていたダニエル・マーフィーが怪我で出場できなかったため、ウォルト・ワイス監督の方針により最終5試合のうちの4試合を欠場したため、物議を醸した。守備では、422補殺(リーグ2位)、91併殺打(同3位)を記録し、守備防御点も 3と堅実だった。このシーズンはホーム打率が.391を記録したが、ビジター打率は.303であり、打者有利である本拠地の恩恵を大きく受けた。
2017年は自己最多の155試合に出場。7月には月間打率.375を記録するなど夏場に調子を上げ、代替選出でオールスターにも出場。シーズンではリーグ7位の打率.310、8本塁打、64打点、OPS.783という成績で、3年連続の打率3割を記録した。元々左投手を得意としている打者ではあるが、この年は対右投手の打率が.293に対して、左投手には.362、打席数は対右投手の3分の1程度であったが、対右投手よりも多い5本塁打を記録した。オフに2度目のゴールドグラブ賞を獲得した。
2018年は打率.276で4年ぶりに3割を切ったが、キャリアハイの15本塁打を記録。守備ではまたゴールドグラブ賞受賞した。10月29日にFAとなった。
ヤンキース時代
2019年1月14日にニューヨーク・ヤンキースと2年総額2400万ドルの契約を結んだ。この年は、チームに故障者が続出する中で年間通じてメジャーでプレーし、本業の二塁手だけでなく一塁手や三塁手としても起用された。打撃面でもシーズン終盤まで首位打者を争うなど活躍し、安打(197)・二塁打(33)・本塁打(26)・塁打(312)・打点(102)・長打率(.518)で自己最高を記録した。6月には自身初となるプレイヤー・オブ・ザ・ウィークとプレイヤー・オブ・ザ・マンスに選出され、オールスターにも出場。オフにはシルバースラッガー賞を初受賞した。また、同年から新設されたオールMLBチームのファーストチーム二塁手に選出された。
2020年はCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンに。自身もキャンプ前の検査で陽性反応を示した。シーズンは開幕2戦目から出場。序盤から好調で65打席で打率.411を残していたが、8月11日のボストン・レッドソックス戦で右手親指を捻挫し、10日間の故障者リスト入り。同29日に復帰以降も調子を維持して、最終的に打率.364で首位打者を獲得した。自身2度目のタイトルで、両リーグでの首位打者獲得は1900年以降では初の快挙となった。出塁率(.421)とOPS(1.011)もリーグトップだった。オフの10月28日にFAとなり、球団から提示された1890万ドルのクオリファイング・オファーを拒否した。12月9日にオールMLBチームのファーストチーム二塁手に2年連続2度目の選出を果たした。
2021年1月27日にヤンキースと6年総額9000万ドルで再契約した。
2022年は怪我のため125試合の出場に留まったが、一塁で35試合、二塁で41試合、三塁で47試合に出場し、この年から新設されたユーティリティープレーヤー部門でゴールドグラブ賞を受賞した。
2024年は3月中旬に足を負傷したために開幕を故障者リストで迎え、5月28日に復帰した。この年は67試合の出場に留まり、打率は自己最低の.204だった。
選手としての特徴
守備
広い守備範囲と高い確実性を兼ね備えた二塁守備を誇り、2018年には守備率.993、DRS 18、UZR 11(いずれもリーグ1位)を記録している。
過去3度にわたって二塁手としてゴールドグラブ賞を受賞しているほか、2017年にはゴールドグラブ賞とフィールディング・バイブル・アワード(セイバーメトリクスの守備指標が選考基準)を同時受賞している。
ヤンキース移籍後は二塁手以外のポジションも守り、2022年にはユーティリティープレーヤーとしてゴールドグラブ賞を受賞した。
打撃
確実性のある打撃を持ち味とする。左投手を得意としており、2020年までの通算で対右投手の打率.298に対して、左投手には.325を記録している。
詳細情報
年度別打撃成績
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
- 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞年
タイトル
- 首位打者:2回(2016年、2020年)
表彰
- シルバースラッガー賞(二塁手部門):2回(2019年、2020年)
- ゴールドグラブ賞
- 二塁手部門:3回(2014年、2017年、2018年)
- ユーティリティー:1回(2022年)
- 優秀守備選手賞:1回(2017年)
- フィールディング・バイブル・アワード:1回(2017年)
- プレイヤー・オブ・ザ・マンス:1回(2019年6月)
- プレイヤー・オブ・ザ・ウィーク:2回(2019年6月24日 - 30日、2020年9月14日 - 20日)
- オールMLBチーム
- ファーストチーム二塁手:2回(2019年、2020年)
記録
- MLBオールスターゲーム選出:3回(2015年、2017年、2019年)
背番号
- 33(2011年)
- 9(2012年 - 2018年)
- 26(2019年 - )
脚注
注釈
出典
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 L
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- DJ LeMahieu stats MiLB.com (英語)
- DJ LeMahieu (@dj_lemahieu) - Instagram
- DJ LeMahieu (@DJLeMahieu) - X(旧Twitter)