河野 伊三郎(こうの いさぶろう、1905年 - 1994年)は、日本の数学者。
来歴・人物
神奈川県出身。1929年東京帝国大学理学部数学科卒業。新潟高等学校 (旧制)、新潟大学、東京医科歯科大学の教授を歴任、理学博士。
すぐれた数学書の著者であり、また海外の科学書のすぐれた翻訳者として知られた。河野が執筆した『位相空間論』や『微積分入門』は、小冊子ながら、本格的な数学を目標とする初学者向きの本として、多くの学生のよい伴侶となったといわれる。
河野の翻訳した本は高い評価を受け、高校や大学入試の現代国語のよい題材として、受験参考書にも例文として見られたことがある。
著書・訳書
- 『概週期函数論』(岩波書店)
- 『メンタルテスト』(白林社)
- 『位相空間論』(共立出版)
- 『微積分入門』(岩波書店)
- 『代数および幾何』(吉田洋一共著、培風館)
- 『科学と仮説』(ポアンカレ著、岩波文庫)
- 『晩年の思想』(ポアンカレ著、岩波文庫)
- 『数について―連続性と数の本質』(デーデキント著、岩波文庫)
- 『現代物理学の思想』(W.ハイゼンベルク著、富山小太郎共訳、みすず書房)
- 『数学入門』(ホワイトヘッド著、創元社)
- 『科学の言葉=数』(トビアス・ダンツィク著、岩波書店)