荒川電車営業所(あらかわでんしゃえいぎょうしょ)は、東京都荒川区西尾久にある東京都交通局の都電(東京都電車)営業所である。
路面電車である都電荒川線の運行管理・営業を行い、乗務員基地や車庫・保守基地(荒川車両検修所)を擁する。
沿革
- 1913年(大正2年)4月1日 王子電気軌道三ノ輪(現・三ノ輪橋停留場)~飛鳥山下(現・梶原停留場)開業に伴い船方車庫として開設
- 1942年(昭和17年)2月1日 東京市内路面交通事業の統合により東京市電気局荒川電車営業所に改組
- 1943年(昭和18年)7月1日 都制施行により東京都交通局荒川電車営業所に改組
- 1981年(昭和56年)4月1日 荒川電車車庫を荒川車両検修所に改組
- 2001年(平成13年)4月1日 検査業務を東京交通サービスに委託
- 2007年(平成19年)5月26日 敷地内に旧型車両などを展示した「都電おもいで広場」を開設
都電おもいで広場
2007年5月26日より、新型車両9000形のデビューにあわせ「路面電車の日イベント」と共に公開を開始した。土・日・祝日の10:00 - 16:00に広場内を開放している。
場内には以下の保存車両が展示されている。
- 5500形5501号
- PCCカーの愛称で親しまれてきた車両。1967年の1系統(銀座線)の廃止と共に廃車となり、上野公園内に保存されていたが、1991年に当車庫に移され保管された後、2007年3月中に一旦搬出、修復された後に返却され、当地にて展示された。車内はギャラリーを兼ねているため、座席が完全に撤去されているほか、片方の運転台も撤去されている(残されている運転台は登場時の足踏みペダル式に復元されている)。2019年には塗り替えが行われた。
- 7500形7504号
- 1998年まで「学園号」としてラッシュ時に運用されていたが、2001年に廃車。その後は車庫内で座席を撤去され、倉庫代用として使用されていたが、2006年の「路面電車の日イベント」の際に修復され、綺麗な姿を披露した。その後、当地に保存されることが決定、正式に保存された。
その他
- 毎年6月の「路面電車の日」と10月の「荒川線の日」を記念して、営業所内を公開するイベントが行われるのが恒例となっている。
- 車庫内には荒川線ワンマン化の際に廃車になった6000形6086号が保管されており、イベント開催時に公開されることがある。かつて都内の個人宅にて保存されていたが、2008年6月に荒川車庫に返還され、その後再塗装等の整備が実施された。
- かつては、ワンマン改造を受けずに廃車となった7500形7514号も保管されていたが、1999年に整備の上江戸東京たてもの園へ移された。
- 1977年のNHK制作のドラマ『男たちの旅路 シルバーシート』の撮影に、当営業所が使われている。使用された車両は7500形の7514であった。
- 2004年発売のモーニング娘。「女子かしまし物語」のPV撮影に、当営業所が使われている。使用された車両は7500形の7507であった。
- 車庫内の入換作業や検査業務(列車検査・月検査・重要部検査・全般検査)は東京交通サービスに委託している。ただし、東京交通サービスは管理監督業務を行っており、実際の業務は協力会社の宮脇車輌工業が行っている。
脚注
関連項目
- 荒川車庫前停留場 - 荒川電車営業所最寄りの電停。
- 東京都交通局上野懸垂線 - かつて存在した上野動物園内のモノレール。組織上は荒川電車営業所の所管となっていた。
- 日本の車両基地一覧