国鉄タキ11450形貨車(こくてつタキ11450がたかしゃ)は、1981年(昭和56年)に製作された、メタリルクロライド専用の 35 t 積 貨車(タンク車)である。
私有貨車として製作され、日本国有鉄道(国鉄)に車籍編入された。1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍を承継された。
概要
本形式は1981年(昭和56年)6月15日に1両(タキ11450)のみが日本車輌製造にて製作された。
所有者は、東亞合成化学工業(その後社名は東亞合成に変更)でありその常備駅は、氷見線の伏木駅であった。
本形式の他にメタリルクロライドを専用種別とする形式には、他に例がなく唯一の存在であった。
化成品分類番号は「燃毒36」(燃焼性の物質、毒性の物質、引火性液体、毒性のあるもの)が標記された。
普通鋼(一般構造用圧延鋼材)製のタンク体は内面に浸食防止のためフェノール樹脂コーティングが施工された。キセ(外板)およびドームなしタンク車であり、荷役方式は積込口からの上入れ、空気圧を使用した液出入管からの上出し式である。空気圧管、液出管はステンレス鋼製のS字管を装備した。
車体色は黒色、寸法関係は全長は13,700 mm、全幅は2,600 mm、全高は3,790 mm、軸距は9,400 mm、実容積は37.6 m3、自重は18.4 t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR225であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には車籍がJR貨物に承継されたが、2002年(平成14年)6月に廃車となり同時に形式消滅となった。
末期は伏木駅構内に留置され休車状態が続いていた。
参考文献
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
関連項目
- 国鉄の車両形式一覧