字林』(じりん)とは、晋の呂忱(りょしん)によって編纂された部首別漢字字書。『隋書』「経籍志」によると全七巻とされる。およそ12,824字を収め、『説文解字』と同じ540部首を設ける。親字も『説文解字』と同じく小篆であったとされる。佚書であるため、現在は他書に引用された佚文のみが残る。

作者

作者の呂忱は任城国任城県の人で、弟の呂静(りょせい)は韻書『韻集』(現存しない)の作者として知られる。

内容

『魏書』江式伝や『法書要録』にのせる江式の上表文、および封演『封氏聞見記』から知られるかぎり、『字林』の体裁は『説文解字』とまったく同じであったようである。また、唐の張懐瓘『書断』によると、親字も小篆で書かれていたらしい。字数は『説文解字』よりかなり増えている。

音を反切を用いて示しているのも『説文解字』との大きな違いである。

注釈・輯逸書

南朝宋の呉恭『字林音義』という書物があったというが、今伝わらない。

諸書の引用を集めた輯逸書に、清の任大椿『字林考逸』八巻、陶方琦『字林考逸補本』一巻がある。陶方琦の書は日本から逆輸入された『慧琳音義』や『玉燭宝典』からの引用を集めたものである。

唐の陸善経にも『字林』という字書があったが、これも失われた。呂忱のものと区別して『新字林』とも呼ばれる。

脚注

参考文献

  • 佐藤喜代治 編『漢字講座 第2巻 (漢字研究の歩み)』明治書院、1989年。ISBN 4-625-52082-7。 
  • 簡啓賢著, ed (2003). 《字林》音注研究. 巴蜀書社. ISBN 7-80659-421-3 
  • 小川環樹 著「中国の字書」、小川環樹、貝塚茂樹 編『中国の漢字』中央公論社〈日本語の世界 3〉、1981年、231-286頁。 

外部リンク

  • 任大椿『字林考逸』1782年。http://ctext.org/library.pl?if=gb&res=1619&remap=gb。 

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