12の戦い(じゅうにのたたかい、ペルシア語: دَوازدَه رُخ Davazdah Rokh )とは、イランの文学作品シャー・ナーメ(王書)の中の物語で、ペルシアとトゥーラーンの国境における両国の勇者間の戦いである。
シャー・ナーメ全体のおよ60,000の対句のなかで約2,500の対句を占めるこの長い物語は、そのプロット、劇的な描写、また人間性への洞察の観点から、シャー・ナーメの最高の物語の1つと紹介されることもある 。
戦いの始まり
カイ・ホスロー王のペルシアとアフラースィヤーブ王のトゥーラーンは、対立状態にあった。ペルシアの勇者たちの長はグーダルズ、トゥーラーンの勇者たちの長はピーラーンである。ピーラーンの兄弟であるフーマンがペルシア軍に挑み、一騎打ちでグーダルズの孫のビージャンに殺され戦いが始まる。2つの軍隊は何度も戦うが、勝敗がつかない。このため最終的に、両国は互いの軍隊の勇者(英雄)間での一騎打ち( mard o mard )による戦いに同意し、12の戦いが始まった。
双方の勇者による戦い
(ペルシア側) (トゥーラーン側)
- ファリーボルズ 対 ゴルバード ヴィセ
- ギヴ 対 ゴルイェ ゼレ
- ゴラゼ 対 トゥーラーンのスィアマク
- フォルハル 対 ザンゴラ
- ロハム 対 バルマン
- ビジャン 対 ルーイン
- ホジィル 対 セパフラム
- ザンゲイェ シャヴァラン 対 アフヴァスト
- ゴルギン 対 アンダリマン
- バルタ 対 コフラム
- グーダルズ 対 ピーラーン
- ゴスタハム 対 ラッハクとファルシャド
すべての戦いにおいて、ペルシア側の勇者が勝利した。最後にグーダルズがピーラーンを殺し、戦争は終了する。他方、ゴスタハムは、ペルシアの王カイ・ホスロ―によりトゥーラーンと戦うためには選ばれなかったが、ピーラーンの兄弟であるラッハクとファルシャドを追いかけ、彼らを殺す。しかし重傷を負い、ビジャンは彼をカイ・ホスローのところに連れて行き、カイ・ホスロ―はゴスタハムの腕に傷を癒す聖なるビーズの腕輪を着用させて命を救う。戦争はトゥーラーンの王アフラースィヤーブの死で終わる。
シャー・ナーメのいくつかの写本では、物語は Yazdah Rokh (11の戦い)と題されており、ゴスタハムとピーラーンの兄弟の間の最後の戦いは数えられていない。
戦争はイランの勝利で終結し、カイ・ホスロー王とグーダルズ率いるペルシア軍に敬意を表する祝祭が開かれた。
12の戦いがあった場所
シャー・ナーメによれば、戦いの場所は、イランのホラーサーン州のズィーバッド城またはゴナバードの黒い山の近くの地域であった。
ギャラリー
脚注
参考文献
- Ferdowsi university Simorgh Magazine,No 9 August 28, 2018 page 81-89 Location of Davazdah Rokh combats
関連項目
- シャー・ナーメ
外部リンク
- hamshahrionline:a festival in the place of Davazdah Rokh war[3]
- [4]