『オプリーチニク』(ロシア語: Опричник)は、ピョートル・チャイコフスキーが作曲した全4幕5場のオペラ。『親衛隊』という日本語訳題があてられることもある。リブレットはイヴァン・ラジェチニコフの悲劇『Опричники』を下敷きに作曲者自身の手で執筆された。扱われている題材はオプリーチニキであり、オプリーチニナの時代(1565年-1573年)のイヴァン雷帝の宮殿を舞台としている。
概要
作曲は1870年2月から1872年3月にかけて行われた。本作には過去のオペラ『地方長官』からの楽曲も引用されている。作品はロシア大公コンスタンチン・ニコラエヴィチに捧げられた。初演は1874年4月24日(ユリウス暦 4月12日)、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場においてエドゥアルド・ナープラヴニークの指揮によって行われ、同年5月16日にはボリショイ劇場でのモスクワ初演が続いた。
配役
楽器編成
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2(B♭とA)、ファゴット2、ホルン4(F)、トランペット2(D、FとC)、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、トライアングル、シンバル、大太鼓、ハープ、弦五部。
構成
- 序曲
第1幕
- No. 1 情景
- No. 2 女中の合唱
- No. 2a ナターリャの歌
- No. 3 情景と合唱
- No. 4 情景と合唱
- No. 5 レチタティーヴォ
- No. 5a バスマノフのアリオーソ
- No. 6 ナターリャのアリオーソ
- No. 6a 女中の合唱
第2幕
間奏曲
- No. 7 情景とモロゾヴァのアリア
- No. 8 情景と二重唱
- No. 9 前奏曲、情景とフィナーレ
- No. 9a ヴャズミンスキー公のアリア
- No. 9b アンドレイのアリア
第3幕
間奏曲
- No. 10 人々の合唱 Chorus of People
- No. 11 レチタティーヴォ、少年たちの合唱と二重唱
- No. 12 情景
- No. 12a ナターリャのアリオーソ
- No. 13 フィナーレ
第4幕
- No. 14 婚礼の合唱
- No. 15 オプリーチニキと女たちの踊り
- No. 16 レチタティーヴォ、合唱と二重唱
- No. 17 合唱と情景
- No. 18 情景と四重唱
- No. 19 終幕の情景
派生作品
作曲者自身の手によるもの。
- 本作中の複数の歌曲のピアノ伴奏編曲 (1873年)
- 本作の主題を用いた葬送行進曲 (1877年、散逸)
出典
外部リンク
- オプリーチニクの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- Tchaikovsky Research
- オプリーチニク - オールミュージック