ジェド・カールソン・ラウリー(Jed Carlson Lowrie , 1984年4月17日 - )は、アメリカ合衆国オレゴン州セイラム出身の元プロ野球選手(内野手)。右投両打。
経歴
プロ入り前
スタンフォード大学時代の2004年にはPac-10の年間最優秀選手賞を受賞、さらにベースボールアメリカ、ルイビルスラッガーそしてスポーツウィークリー各誌で全米オールスターのファーストチーム選手に選出。2005年にもベースボールアメリカ、ルイビルスラッガー、全米大学野球記者協会から全米オールスターのファーストチーム選手に選出された。
プロ入りとレッドソックス時代
2005年のMLBドラフト1巡目追補(全体45位)でボストン・レッドソックスから指名され、プロ入り。
レッドソックス入団後は2005年から2007年にかけてマイナーで過ごし、2007年にはAA級のイースタンリーグのオールスターチームに選出。傘下のAA級ポートランド・シードッグス最優秀選手、レッドソックス・マイナーリーグ最優秀攻撃選手にも選ばれた。シーズン終盤にはAAA級ポータケット・レッドソックスに昇格。ベースボールアメリカが選ぶインターナショナルリーグ有望株ランクでは20位中5位にランクインした。
2008年は開幕をマイナーで迎えたが、4月10日にレッドソックスの正三塁手マイク・ローウェルが故障者リスト入りしたためメジャー初昇格を果たす。4月15日のクリーブランド・インディアンス戦でメジャー初出場を果たした。三塁手としてスタメン出場。併殺崩れの間に初打点を挙げ、さらに次の打席では2点タイムリーヒットを放ち、初安打も記録した。また2008年のロサンゼルス・エンゼルスとのディビジョンシリーズでは、第4戦でサヨナラ安打を打ち、チームのリーグチャンピオンシップシリーズ進出に貢献した。
2009年は、メジャーリーグで5試合に出場しただけで手首を故障し、復帰の為のリハビリも時間がかかったので、最終的には32試合の出場で打率.147、2本塁打、11打点という成績に終わった。しかし、安打数は10ながらも二塁打と本塁打を2本ずつ放った。
2010年は、スプリングトレーニング中に伝染性単核球症にかかった影響で、7月下旬まで故障者リスト入りする羽目になった。しかし、復帰してからは49安打中、二塁打14本と本塁打9本(全安打の約47%が長打)を記録した。また、四球と三振の数が同じ(どちらも25)だった。
2011年は開幕直後は好調だったが、その後は故障もあって失速し、定位置獲得はならなかった。
アストロズ時代
2011年12月14日にマーク・マランソンとのトレードで、カイル・ウェイランドと共にヒューストン・アストロズへ移籍した。
2012年2月8日にアストロズと115万ドル 出来高の1年契約に合意。4月6日に15日間の故障者リスト入りし、4月12日に復帰した。復帰後は遊撃手の定位置を獲得し、80試合に出場していたが、7月15日に右足首の故障で15日間の故障者リスト入りした。9月11日に復帰した。この年は97試合に出場して打率.244、16本塁打、42打点、2盗塁を記録した。
アスレチックス時代
2013年2月4日にクリス・カーター、ブラッド・ピーコック、マックス・スタッシとの2対3のトレードで、フェルナンド・ロドリゲスと共にオークランド・アスレチックスへ移籍した。この年は主に遊撃手として自己最多の154試合に出場し、自己ベストの打率.290・2年連続15本以上となる15本塁打・自己ベストの75打点を叩き出した。また、アメリカンリーグ2位の45二塁打を放った。
2014年1月17日にアスレチックスと525万ドルの1年契約に合意した。開幕から正遊撃手として起用されていたが、8月15日に右人差し指の故障で15日間の故障者リスト入りし、9月1日に復帰。この年は136試合に出場したが、打率.249、6本塁打に終わった。オフの10月30日にFAとなった。
アストロズ復帰
2014年12月15日に古巣のアストロズと総額2300万ドルの3年契約(2018年・2800万ドルの球団オプション付き)を結んだ。
2015年は、新人カルロス・コレアの台頭やマーウィン・ゴンザレスの成長などもあり、69試合の出場に留まった。打撃不振に陥り、打率.222、9本塁打、30打点という成績に終わった。
アスレチックス復帰
2015年11月25日にブレンダン・マッカリーとのトレードで、アスレチックスへ移籍した。
2016年は二塁手のレギュラーとして起用されたが、8月に左脚の手術を受け、その後の出場はなかった。この年は87試合に出場し、打率.263、2本塁打、27打点に終わった。
2017年9月29日のテキサス・レンジャーズ戦でシーズン48個目の二塁打を記録し、球団がオークランド移籍後では2001年のジェイソン・ジアンビのシーズン48二塁打の球団記録を更新して、球団新記録となった。9月27日に球団の選手・コーチ・スタッフが球団で最も印象的だった選手を表彰するキャットフィッシュ・ハンター賞を受賞した。
2018年は前半戦、89試合に出場して打率.288、16本塁打、62打点の好成績を買われ、故障で辞退のグレイバー・トーレスに代わってオールスターに初選出された。オフの10月29日にFAとなった。
メッツ時代
2019年1月16日にニューヨーク・メッツと2年総額2000万ドルの契約を結んだ。
2020年オフの10月28日にFAとなった。
2度目のアスレチックス復帰
2021年2月10日にアスレチックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。シーズン開幕日の4月1日にメジャー契約を結んで40人枠入りした。この年は139試合に出場して打率.245、14本塁打、69打点、2盗塁を記録した。オフの11月3日にFAとなったが、2022年3月27日に単年契約で再契約した。
2022年は故障もあって開幕から成績が上がらず、月間打率が4月は.200、5月は.225、6月は.081という極度の不振に陥った。マイナー降格を経て8月2日にメジャーに復帰したが、4試合に出場して16打数2安打という結果に終わり、8月10日にDFAとなり、8月11日に自由契約となった。
2023年3月23日、自身のSNS上で現役引退を発表した。
詳細情報
年度別打撃成績
年度別守備成績
- 各年度の太字はリーグ最高
表彰
- キャットフィッシュ・ハンター賞:1回(2017年)
記録
- MLBオールスターゲーム選出:1回(2018年)
背番号
- 12(2008年 - 2011年)
- 4(2012年、2019年)
- 8(2013年 - 2018年、2021年 - 2022年)
脚注
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 L
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Jed Lowrie stats MiLB.com (英語)