指小辞(ししょうじ、英語: diminutive)は、主に名詞や形容詞に付着して、「小さい」「少し」といった意味を表す接辞である。
縮小辞、縮小語尾ともいう。接尾辞が多いが、日本語の「小(こ)」のような接頭辞もある。対義語は指大辞(英: augmentative、「増大辞」・「拡大辞」とも)。
概要
用法としては、愛情、愛着、親近感(愛称)などのニュアンスを込める場合、また逆に軽蔑などの意を込めて用いる場合もある。こうした使い分けは概ね語によってあらかじめ決まっていることが多い。また、何かを指し示すのに適当な名称が見当たらない場合、類似のものを指す名詞に指小辞を添えて、「……のようなもの」といった意味で用いる場合もある。この場合、「小さい」のようなニュアンスを含まないこともある。 今もなお、新聞業界では、小中学生に新聞記者のような取材と記事執筆をさせる体験学習のような際に「豆記者」という言い方をするが、この「豆」とは、子ども、小さいながら、といった意味を持つ。
アフリカの言語には指小辞(接頭辞)のついた名詞が特別の名詞クラス(ヨーロッパ語の文法上の性のような区分)となるものもある。また、現代ギリシア語の中性名詞が指小辞のついた形に由来していることや、ドイツ語で指小辞のついた名詞が中性化するなど、性の転化が見られることもある。
指小辞の例
以下にさまざまな指小辞の例を挙げる。 なお、以下の例では指小形が固定的な特定の意味を持つに至った例を多く挙げているが、実際にはこのようなものが多数を占めるとは言えず、むしろ、単なる愛称であったり、あるいは「かわいらしさ」「手軽さ」「瑣末さ」などのニュアンスをもとの単語に付加するだけの例も多いことに留意されたい。
なお、ヨーロッパ系の人名には上記のような指小辞が含まれている例も多い。
出典
関連項目
- 接尾辞
- 人名の短縮形
- 音象徴
- 幼児語