アローキャリー(欧字名:Arrow Carry、1999年3月1日 - 2006年1月5日)は、日本の競走馬、繁殖牝馬。

主な勝ち鞍は、2002年の桜花賞(GI)。

生涯

デビューまで

母アロールーシーは、1991年に北海道静内町の矢野牧場で生産されたサンキリコの産駒。美浦トレーニングセンターの新関力厩舎にて競走馬デビューし、桐花賞(500万円以下)など5戦2勝を挙げた。引退後は、生まれ故郷の矢野牧場で繁殖牝馬となり、1996年に初仔を生産。1999年、4年目の種付けでは、矢野牧場主である矢野秀春が主導するジェイエスが仲介を担当し、リース種牡馬として日本に来ていたラストタイクーンと交配した。

1999年3月1日、アロールーシーの3番仔として鹿毛の牝馬(後のアローキャリー)が誕生。牧場での仔は、矢野によれば「当歳の頃の印象といっても、特に記憶に残るようなことはなかったなあ」と振り返っている。仔は、ラストタイクーンに内国産馬の牝系、そして牝馬であるために、セリに出場させても買い手がつかないと考えて、矢野自身が所有した。芝向きの血統ゆえに、将来的に芝の多い日本中央競馬会(JRA)の競走に出走させたかったが、まずは、ホッカイドウ競馬の北川數男厩舎に入厩。当時存続の危機にあったホッカイドウ競馬の救援や、JRAよりも劣る相手のために楽に勝ち上がれると考えたためであった。

競走馬時代

2001年5月9日、札幌競馬場のフレッシュチャレンジでデビューし2着。2戦目のフレッシュチャレンジで初勝利を挙げJRA認定馬となる。その後札幌、旭川競馬場での2戦は、いずれも3着敗退。続いてホッカイドウ所属の身で、JRA開催の札幌競馬場・2歳500万円以下(芝1000メートル)に出走。後方に3馬身半差をつけて2勝目、走破タイム57.2秒は、札幌芝1000mの2歳コースレコードであった。旭川競馬場の重賞・フローラルカップは1番人気に支持されるも13着敗退、再びJRAに参戦したすずらん賞では、初めてJRA所属馬と戦い3着となった。

その後は、JRAに移籍し、栗東トレーニングセンターの山内研二厩舎に転厩。12月2日、阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)に参戦。短期免許で来日中のキーレン・ファロンが騎乗した。逃げたが、直線でタムロチェリーに半馬身かわされ2着となった。そこから中1週で出走したフェアリーステークス(GIII)では1番人気に推されたが、4着。

3歳となった2002年は、エルフィンステークス(OP)から始動し2着したが、続くアネモネステークス(OP)は8着に敗れた。

4月7日、桜花賞(GI)に出走、山内は、レース1週間前に池添謙一に騎乗依頼を行った。同じ山内厩舎からは、フィリーズレビュー(GII)を制したサクセスビューティが出走しており、山内は池添に対し、これまでの逃げ作戦ではなく「サクセスビューティの後ろについていけ」と指示。当日は、サクセスビューティが単勝3番人気、アローキャリーは13番人気だった。

スタートからサクセスビューティが逃げ、アローキャリーは指示通りその直後に位置した。直線では、サクセスビューティの脚が鈍って後退、9番人気のヘルスウォールが一時先頭に代わったが、アローキャリーがサクセスビューティの背後から外に持ち出して追い上げた。坂の終わりで先頭に立ち、大外から脚を伸ばした後続に1馬身4分の1差をつけて先頭で入線した。重賞およびGI初勝利、地方競馬出身馬としては1994年のオグリローマン以来史上2頭目の勝利であった。また、池添、矢野秀春、矢野牧場にとっても初のGIタイトルであった。池添は、入線後にガッツポーズを繰り返し、引き揚げて下馬する際には「涙で目が真っ赤に腫れていたほどの感激ぶり」(優駿編集部)であった。同厩舎の人気薄の勝利に山内は「なんとも言えない気持ちですね。まさか、という感じで....」としている。2着は単勝7番人気ブルーリッジリバーが入り、馬番連勝は、85番人気の3万4440円という万馬券になった。

山内は、適性はマイルにあるとして、優駿牝馬(オークス)(GI)には出走せずに放牧。フロンティアスタッド、カタオカステーブルで夏休みを過ごし、秋は秋華賞を目標としていた。ローズステークス(GII)で再始動し最下位。それから秋華賞には出走せず、ほか4戦するもいずれも下位、マイルチャンピオンシップ(GI)出走を最後に引退し、競走馬登録を抹消した。

繁殖牝馬時代

引退後は、故郷の矢野牧場に戻り繁殖牝馬となった。初年度はブライアンズタイム、2年目はシンボリクリスエスの仔を生産。3年目にはダンスインザダークの仔を出産する予定であったが、2006年1月5日に心臓麻痺により、7歳で死亡した。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.comおよびJBISサーチ の情報に基づく。

  • 札幌競馬場の(地)は地方競馬開催。

繁殖成績

血統表


脚注

注釈

出典

参考文献

  • 『優駿』(日本中央競馬会)
    • 2002年2月号
      • 山本尊「【Play-back the Grade-I Races 2001】第53回阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)」
    • 2002年5月号
      • 優駿編集部「【Play-back the Grade-I Races 2002】第62回桜花賞(GI) アローキャリー」
      • 石田敏徳「【第63回オークス(GI)展望】桜花賞馬に不出走の可能性が。そこで注目したいのが、この馬たちだ!」
      • 優駿編集部「【杉本清の競馬談義 205】池添謙一騎手」
    • 2002年7月号
      • 阿部珠樹「【2002年春GI勝ち馬の故郷】矢野牧場 時代に調和した競馬人」
    • 2002年9月号
      • 石田敏徳「【充電完了! いざ闘いの舞台へ】3歳牝馬編 アローキャリー」

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ、Racing Post
  • アローキャリー - 競走馬のふるさと案内所

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