ザ・ケルン・コンサート』(The Köln Concert)は、ジャズ・ピアニスト、キース・ジャレットが1975年に発表した2枚組のライブ・アルバム。これまでに400万枚のセールスを達成。最も売れたジャズのソロ・アルバム、最も売れたピアノ・ソロ・アルバムと言われている。

解説

ジャレットは1972年夏より、完全即興のソロ・コンサートという画期的な試みを行い、その模様は西ドイツのジャズ・レーベルであるECMレコードによってレコード化されて(『Solo Concerts: Bremen/Lausanne』)、大きな注目を浴びていた。

当時アルバイトでプロモーターをしていたヴェラ・バランデス(Vera Brandes)という17歳の学生によって、ジャレットのコンサートが企画された。日にちは1975年1月24日、会場はケルンのオペラハウス。バランデスはジャレットのリクエストに応えてベーゼンドルファーのモデル290インペリアル・コンサート・グランド・ピアノを用意する手はずを整えた。しかし会場のスタッフが持ってきていたのは、それよりはだいぶ小ぶりのベーゼンドルファーの別のグランド・ピアノだった。さらに不運なことにそのピアノはオペラのリハーサルに使われていたあとで調律さえされていなかった。なんとか調律はできたものの、耳障りな高音と響きの悪い低音が残り、ペダルもうまく動かないという状態であった。

なおかつ彼の体調も万全ではなかった。その前に公演を行ったスイスのチューリッヒから約563キロ、5時間のドライブをし終えたばかりだった。しかも数日間不眠が続いたことによる背中の痛みに悩まされていた。背骨を支えるために腰にサポーターを着け、オペラのパフォーマンスが行われたあとの深夜23時半にステージに上がった。

それまで行ってきたソロ・コンサートと同様、事前の準備なしの完全即興で、曲名らしい曲名もついていない。音楽的には、クラシック音楽のカデンツァに、ジャズの音階とテクニックを持ち込んだ内容とも言える。完全即興演奏によるピアノ・ソロ・コンサートを収録したアルバムは同じ年に2枚組で発表された。

本作は、キースのソロ・コンサートのシリーズ中、最も人気の高い作品で、その革新性と美しさは、世界中で高く評価された。その一方、全く新しい表現のため、批判する者も少なくなかった。日本でも、ジャズ喫茶では本作のリクエストが殺到したが、一部の店は「ケルンお断り」という貼り紙を出していたという。

1980年公開の映画『ジェラシー(Bad Timing)』で、本作から抜粋された音源が使われた。日本では1985年、ホンダ・レジェンドのCM音楽で冒頭部分が使用された。2000年にパナソニックも、テレビ「プラズマタウ」のCM音楽として、本作の冒頭部分を使用した。さらに、2001年にはトヨタ・ソアラのCM音楽にも冒頭部分が使用された。

収録曲

  1. ケルン、1975年1月24日 パートI - Köln, January 24, 1975 Part I
  2. ケルン、1975年1月24日 パートIIa - Köln, January 24, 1975 Part IIa
  3. ケルン、1975年1月24日 パートIIb - Köln, January 24, 1975 Part IIb
  4. ケルン、1975年1月24日 パートIIc - Köln, January 24, 1975 Part IIc

演奏・スタッフ

  • キース・ジャレット - ピアノ
  • マンフレート・アイヒャー - プロデューサー
  • マルティン・ヴィーランド - エンジニア
  • ヴォルフガング・フランケンシュタイン - 写真

注釈

外部リンク

  • ECM 1064
  • キース・ジャレット:ケルン・コンサート ユニバーサルミュージック 2011.7.20 RELEASE SHM-CD盤 CD:UCCU-6002

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