スマートインターチェンジは、日本の高速道路の本線上またはサービスエリア (SA)、パーキングエリア (PA)、バスストップ (BS) に付属する形で設置され、料金所がETC専用の簡易的な構造となったインターチェンジ (IC) の一種である。「スマートIC」や「SIC」と表記されることもある。
概要
日本のインターチェンジは平均間隔が約10 kmと世界平均(平地部で約4 - 5 km)よりも長く、国土交通省が既存の高速道路ネットワークの有効活用を図るため導入した。2004年(平成16年)10月15日から東名高速道路上郷SAで社会実験を実施し、この成果を踏まえ2006年(平成18年)10月1日から本格的な運用を開始した。
スマートICの平均建設費は約20億円で、本線をまたぐ橋梁や取付道路の建設費、用地買収費などに約35億円かかる従来型のICと比べて低コストで導入できる。また、標準的な料金所の徴収員もおらず、それ自体が無人のため、管理費用も従来型より抑えられている。
初期に導入されたスマートICは利用時間が6時から22時までに限られていたり、大型車に対応できないなどの制約を抱えるものも存在したが、ETCの普及率の向上を背景に改善が進み、24時間化やアクセス道路の改良が行われている。
スマートICの整備によりアクセスが向上した地域では、通勤や経済活動の広域化、商工業者の立地による就業者の増加、観光客の増加などの地域経済活性化に加え、高度医療機関への搬送時間短縮による救急医療の充実といった効果が表れている。
一方で郊外に作られることが多いインターチェンジとは違って、スマートICは住宅街などの密集地域に作られることも多いため、生活環境の悪化や交通事故の増加などを懸念して周辺住民が反対するケースも少なくない。
2021年以降、それまで有人の料金所や精算機によって現金やクレジットカード等による精算を行っていたインターチェンジがETC専用となった事例が存在するが、これらはETCノンストップ走行が可能であるなど設備・構造が異なり、スマートインターチェンジとは区別される。
スマートインターチェンジ料金所入口・出口の手前に転回路が設けられることが多い。
スマートIC一覧
- 全国地方公共団体コード順に記載。
- 「ハーフIC」には▽を付記。
- ピンク色の項目は終日利用可能。緑色の項目は時間内のみ利用可能。
社会実験の経過
2004年秋から2009年春まで、スマートICの社会実験が行われている。多くのスマートICで実験期間が延長・再延長され、恒久化に繋がっている。以下、道路ごとに起点に近い方から列挙する。
第一次採択箇所
第二次採択箇所
第三次採択箇所
追加採択箇所
その他の採択箇所
社会実験廃止後の経過
2009年春から社会実験を実施しないで供用が開始されている。以下に、道路ごとに起点に近い方から列挙する。
供用中の箇所
西仙北インターチェンジ(現・西仙北スマートインターチェンジ)は、秋田県大仙市を中心とした第三セクターが運営する既存のインターチェンジだったが、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)管轄のETC専用のスマートインターチェンジに改築された。また、成田インターチェンジは東関東自動車道方面の出入口について通常のインターチェンジであるが、新空港自動車道方面への入口のみがスマートインターチェンジとして運用されている(新空港方面からの出口はない)。
準備中の箇所
準備段階調査箇所
2015年度より「準備段階調査」を実施すると発表した。これは、スマートICの準備段階(各地方での計画検討・調整段階)において、国として必要性が確認できる箇所について選定した上で、国が調査を実施するもの。選定された箇所では、関係機関で構成される「準備会」を新たに設置し並行して、調査・検討の一部を国が実施することで、各地方での計画的・効率的な準備・検討の推進が図られることが期待されるとしている。名称は全て仮称である。
以下に、道路ごとに起点に近い方から列挙する。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 平湯インターチェンジ - 本線料金所であるがETCレーンはスマートインターチェンジと同じ通行方式(一旦停止タイプ)である。
- 馬場出入口
- 自動改札機#ICカード専用改札機
外部リンク
- スマートインターチェンジの整備 - 国土交通省道路局
- スマートIC - ETC総合情報ポータルサイト(道路システム高度化推進機構)
- スマートIC - ドラぷら(東日本高速道路)
- スマートICのご案内 - 中日本高速道路
- スマートIC - 西日本高速道路